街を歩きながらスーダンの首都ハルツームの人々の日常をスマホで撮影していた。
砂漠の街並みは首都だというのに、道がほとんど舗装されておらず、砂土の地面だ。黄土色の地面の上に3階建てから5階建ての古い雑居ビルやトタンで出来た小さな平家のお店が雑然と並んでいる。
オレンジやメロンなどのフルーツが安いようで、街の至る所でフレッシュジュースの販売店を見かけた。
白いイスラムの衣装を着ている人も多いが、路面店で携帯ケースなどを販売する商売人などジーンズに長袖シャツといういでたちの人も数多くいる。
「観光客の写真撮影」は危険行為
イスラム社会では女性の写真撮影は難しい。イスラム教の女性は、聖典コーランの神の教えに従い頭に被るベール、ヒジャブを着けている(国や宗派によって衣装は変わる)。
神は女性たちに「目を伏せ、プライベートな部分を守り、(魅惑させないよう)飾らず」と伝えている。
貞操観念が強いイスラム世界で女性の写真を撮るということは、あえて日本の感覚に置き換えるなら、外国人男性が日本の清純そうな未成年の女の子をパシャパシャと撮影するのと同じようなことだと思う。あまりいい気はしない。
そんな基本的な感情に偶像崇拝が禁止される厳しいイスラムの戒律が加わっている。そうイメージしていた。
しかし、ドバイやヨルダン、モロッコ、エジプトでは、若い女性に撮影をお願いすると簡単に許可してくれる人もいた。本で読むイスラムの知識とは少し違うようだ。
モールを出て街を歩いていると、前方に大学生らしき男女の4〜5人の集団が見えた。
女の子たちは、黒いヒジャブに赤いロングTシャツを合わせていたり、ピンクのヒジャブに花柄の長袖のシャツを合わせたりとかなりお洒落に気を遣っている。ノリも明るく元気そうだ。
「これは、シャッターチャンスかも」
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