総務省が9月5日に発表した7月の家計調査では、実質消費支出(2人以上世帯)が前年同月比マイナス5.0%に落ち込んだ。消費者のマインドを示す消費者態度指数はコロナ前の水準からは距離がある状態で、弱さがみられる。
新型コロナが5類に移行し経済再開が進む中でのこうした消費関連指標の弱さの主因には、実質可処分所得の減少があるとみられる。高インフレの影響もあり、家計調査の実質可処分所得は10カ月連続で前年同月比マイナスと落ち込んでいる。
しかし、やや意外感があるのがインフレで生活が苦しくなった家計が貯蓄を取り崩しているわけではないことである。
インフレ下でも貯蓄は高止まり
可処分所得に占める黒字(可処分所得-消費支出)の比率である、「黒字率」は高止まりしている。なお、「黒字率」は最も広い概念での貯蓄率(可処分所得に占める貯蓄割合)とされている。
このような傾向は、アメリカの例と大きく異なっている。
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