中国リチウム最大手、2023年上期の純利益2割減 贛鋒鋰業、相場急落と販売伸び悩みが業績直撃

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市況の変調による業績悪化に加えて、贛鋒鋰業は海外での大型開発プロジェクトでも困難に直面している。メキシコのソノラ州で進めている世界最大級のリチウム資源開発プロジェクトの権益に関して、メキシコ政府が取り消しの決定を下したのだ。

メキシコ政府はリチウム資源の国有化に舵を切った。写真はソノラ・リチウム鉱山の開発予定地(贛鋒鋰業の子会社バカノラ・リチウムの公式SNSより)

ソノラ・リチウム鉱山の資源量は炭酸リチウム換算で882万トンが見込まれているが、本格採掘はまだ始まっていない。贛鋒鋰業は2019年に開発の事業主体であるイギリスの上場企業、バカノラ・リチウムに資本参加。その後の2年間に3回に分けて同社株を買い増し、完全子会社化した。この買収に贛鋒鋰業は総額2億5800万ポンド(約476億円)を費やした。

メキシコ鉱山の権益が剥奪の危機

メキシコ政府は2021年12月、贛鋒鋰業によるバカノラ・リチウムの買収を承認していた。ところが、それから半年も経たない2022年4月、メキシコ政府は(国内資源の開発について定めた)鉱業法の改正案を批准。リチウム資源の開発権益を国有の事業体に独占的に与えることとし、民間企業による開発を禁止した。

本記事は「財新」の提供記事です

2023年8月にはソノラ・リチウム鉱山の開発権益に関して、メキシコ鉱業総局が(バカノラ・リチウムに)取り消しを正式に通知した。これに対して贛鋒鋰業は、この決定がメキシコの法律および国際法に違反していると強く抗議しており、メキシコ政府に(権益の取り消しを決めた)行政審議のやり直しを求めている。

(財新記者:蘆羽桐)
※原文の配信は8月30日

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