アラサーのための戦略的「人生相談」--夫婦関係をどうすれば修復できますか(その1)

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 たとえば、アメリカでの調査によると、世帯所得によって子供の知的能力に差があることがわかっています。これを因果関係と考えたら、「貧乏な家の子は勉強に向かない」わけだから、「知的能力を伸ばすには所得を向上させる必要がある」という結論になります。

確かに「金持ちの家の子はいい学校に行っている子が多い」というのは、一般的な感じとしても「なるほど」となるかもしれません。でも、この思い込みは危険です。「家貧しゅうして孝子出づ」って言うじゃないですか。

実はその後の調査で、「2歳までに親から受けた言葉の数が、その子の知的能力に影響を与えている」ことが、わかったんです。生後24カ月で2万語が平均といわれますが、アメリカでは貧困家庭に限ると平均で1.2万語くらいらしいのです。

確かに、貧乏な家は共働きが多く、両親には赤ちゃんに話しかける時間やエネルギーが残っていないのかもしれません。ですので、貧困と知性の間には一定の相関関係があるとはいえます。

しかし、これは因果関係ではありません。貧しくても、頑張って赤ちゃんに話しかければ、ハンデは克服できるんですよ(これは『教育×イノベーション』という本に書いてあります。監修したのは、前の相談でも引用したあの名著『イノベーションのジレンマ』のクリステンセンです)。

問題は「心理的」か「物理的」か

因果関係がわかったら、次にその原因が「ハード」の問題か「ソフト」の問題かを区別します。

両者は、解決のアプローチがまったく異なります。単純なのは、物理的、つまり「ハード」の問題です。一方、「夫婦関係」を含む「人間関係」は「ソフト」の領域に属する、心理的な問題ですから、問題点を抽出し特定するのには、かなりの繊細さが要求されます。

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