海外記者が見た「日本のジャニーズ報道の異常さ」 「弱きを挫き、強きを助ける」歪みまくった構造

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

同紙によれば、阪上議員が「児童から信頼を受け、児童に対して一定の権力を持っている人物が、その児童に対して性的な行為を強要する。もしこれが事実とすれば、これは児童虐待に当たるのではないか」と質問したのに対して、厚労省の担当者は「性的な行為を強要した人物がこの手引き(「子ども虐待対応の手引き」)に言う親または親にかわる保護者などに該当するわけではないので、手引で言うところの児童虐待には当たらないというふうに考えている」と回答している。

ニューヨーク・タイムズ紙は阪上議員が本件を取り上げたことについて「主要メディアがこの特別委員会や調査について取り上げるか定かでない中でのギャンブル」と書いている。「この委員会がメディアで取り上げられることは、小渕首相(当時)の心臓麻痺よりショッキングなことだろう」。

サヴィル死後に報告書が出された理由

サヴィルの場合、彼の死後に疑惑が浮上すると、イギリスメディアは複数のドキュメンタリー番組を制作した。BBCは現在、彼のドラマシリーズを準備中である。

当局の対応については、ロンドン警視庁(MPS)が小児性愛者や重大犯罪捜査の経験を持つ警官30人を動員し、児童保護チャリティーの大手NSPCC(全英児童虐待防止協会)と連携して、独立した透明性の高い報告書を発表した。

「当然のことながら、ジミー・サヴィルが死んだ以上、彼に対する刑事訴追は不可能であり、被害者の証言は法廷で争うことができないという問題が提起されている。しかし、MPSとNSPCCが、我々の共同報告書に含まれる情報を公開すべきだという見解を示したのは、このような刑事訴訟の欠如、そして被害者のための正義の欠如のためである」と報告書は述べている。

報告書はサヴィルが単独で犯した犯罪、サヴィルの周囲の人々が関与した犯罪、サヴィルに関する公表の結果、名乗り出た人々への犯罪という3つの柱に焦点を当てた。

「最も早く報告された事件は1955年のマンチェスターで、最後に報告された犯罪は2009年である(中略)。名乗り出た被害者の年齢層は、8歳から47歳(虐待当時)」と報告書は記している。600人が名乗り出た。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事