JAL社長が明かす「パイロットの条件」とは? 機長出身の社長だからこそ知っている"裏側"

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植木義晴(うえき・よしはる)●日本航空(JAL)社長。1952年生まれ。1975年航空大学校卒、操縦士として日本航空入社。2012年2月から現職。
今年3月の独ジャーマンウィングス機の墜落事故では、副操縦士が意図的に墜落させた疑いが指摘されている。これは特殊な例としても、大勢の乗員・乗客の命を預かるパイロットの責任の重さを改めて感じさせた事件だった。「憧れの職業」といわれるパイロットとはどんな人たちで、どうあるべきなのか。日本初のパイロット出身社長である日本航空(JAL)の植木義晴社長に聞いた。

 

――3月、フランスで独機が墜落する事故が起きました。パイロットが意図的に墜落させた可能性が濃厚です。自身もパイロットとして活躍されていた植木社長は、この事件をどうご覧になりましたか。

自分も35年間飛んできたし、社長になった今でも、パイロットがしっかりしていてくれなかったら、航空会社はやっていけない。パイロットがああいうことをしたら、会社はいっぺんに経営危機に陥る。機長、副機長となるような人は、強い精神力を持ってもらわなければいけない。そうでなければ何百億円の資産(航空機)と、何百人もの命を預けられない。乗客の安全を第一に、自分が信じた道を突き進む強い人間でなければ、パイロットになるべきではないんだよ。

「パイロットの世界は一種独特」

週刊東洋経済2015年5月16日号(11日発売)の特集は『最強のエアライン』。外国人観光客が押し寄せるなど日本の「空」にはかつてないチャンスが。日本の航空会社は勝てるのか。全50ページで追いました(上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

――今年も、30人のパイロット訓練生がJALに入社しました。強い精神力で仕事をしてくれそうですか。

彼らはすばらしい人たちです。多くの応募者の中を勝ち抜いてきた人たちですからね。でもまだまだ、これからよ。パイロットの世界ってやっぱり一種独特な世界なんです。これから学んでいかなくてはいけないことは、たくさんあります。

――独特の世界?

なんといっても、経験したことのないような訓練が待ち受けています。普通の仕事なら、教官(スーパーバイザー)がずーっと横について、ずーっと仕事ぶりを監視されているなんてことはほとんどないでしょう。仕事の結果を見られることはあってもね。

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