キーエンス、高収益企業が決算期変えるワケ 優良納税者だが節税もしっかり
営業利益率5割超、コンサルに強み
FA関連業界では、各社とも足元の業績が軒並み好調といえる状況にある。その中でも、キーエンスの業績はある意味、突出している。2014年度の営業利益率、つまり売上高に対する営業利益の比率は過去最高となる52.6%に達した(13年度は49.3%)。実に売上高の半分以上がそのまま儲けにつながっているのだ。
これに対して、FA関連の電機大手における2014年度の営業利益率をみると、三菱電機が7.3%、オムロンが10.2%、安川電機が7.9%。別格なのは、高収益企業としてキーエンスと比較されることの多いファナックだが、それでも40.8%とようやく4割を超えたところだ。
キーエンスはここに来て急に営業利益率を上げたわけではなく、昔から高収益企業として知られてきた。特に2003~07年度には5年にわたって営業利益率5割超をたたき出したこともある。FAセンサー業界では代理店経由での販売が一般的なのに対し、キーエンスの特徴は、営業スタッフが顧客の生産現場に直接入り込んで現場の話を聞きながらFAセンサーなどを売り込む「直販コンサル営業」。単なるメーカーではなく、いわばコンサルティング会社でもある点が、同社の高収益の秘密といえる。
海外でも高収益モデル展開へ
さらに、そうした日本での成功モデルを海外でも展開していることが、キーエンスの最近の高成長につながっている。海外売上比率は2014年度に50.6%(13年度は44.9%)となり、初めて5割を超えた。円安の追い風もあったが、従来から進めてきた海外販売拠点の拡充や、海外市場への競争力ある新商品投入が奏功したという。今後も「海外での直販営業をさらに推進することで、グループ全体のさらなる拡大を図る」(山本社長)方針だ。
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