円高転換のタイミング見極める「3つのポイント」 今のドル高にはいつか終止符が打たれる
潜在的恒常的に借金大国であるアメリカのドルは元来、為替市場で売り圧力が発生しやすいはずなのだ。アメリカの借金のうち連邦政府の公的債務に着目すると、2022年1月末時点の残高は30兆ドル(1ドル130円換算で約3900兆円)に上る。
「日本の借金は1000兆円超え」といった、潤沢にある日本の資産には目もくれず負債の金額だけに着目した報道を頻繁に目や耳にすると思うのだが、アメリカは金額で言えばざっと日本の4倍の借金を抱えていることになる。
日本と中国がアメリカの借金を「肩代わり」
アメリカ連邦政府の代表的な債務はアメリカ債だが、そのうち海外投資家による保有残高は、アメリカ財務省が2022年12月15日に発表した証券投資統計によると、7兆1854億ドルで、1ドル130円換算で約934兆円となる。これを誰に購入してもらっているのか。
財務省の証券投資統計で確認すると、例えば2022年12月公表の国別残高1位は日本で1兆782億ドル、2位中国は9096億ドルであった。海外勢では日本と中国が最も積極的にアメリカの借金の肩代わりをしているような状況と言えよう。
2022年来、戦争状態が続いているロシアとウクライナに対して、アメリカのジョー・バイデン大統領は「安全保障に歴史上最大規模の投資をする」と明言した。アメリカの場合は、大統領が議会に予算要求を行い、議会の承認後、予算が執行されるシステムになっている。2023会計年度(2022年10月〜2023年9月)の予算教書で、国防費として8133億ドル、約106兆円を議会に要求した。
先刻、アメリカは借金大国であると述べた。借金体質であるアメリカは戦争になれば、戦費をどこかから調達しなければならない。資金調達のためアメリカ債を発行し、それを日本や中国などが購入するなら海外からの戦費調達となる。
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