愛知県岡崎市オムライスをバズらせた店主の手腕 カゴメ「オムライススタジアム2023」グランプリ

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ちなみにこの「ビーフバーグオムライス」は、サラダとさつまいもとチーズのコロッケ「さつコロ」、ソフトドリンク、ミニデザートが付いて3000円(税込み)。オムライスにしてはかなり強気の価格設定だと思うが、予約は1カ月以上先まで埋まり、フリーで行っても1時間以上も待たねばならないほどの人気ぶり。

店を訪れる客は、美味しいオムライスもさることながら、インフルエンサーである神谷さんに会いたいという気持ちも強いのだろう。つまり、ファンによる聖地巡礼のようなものだ。

「SNSのフォロワー数が増えたおかげで単価を上げることができたんです。今、夜は動画制作をしているので、平日はランチしか営業していませんが、売り上げは店を継ぐ前の3倍になりました」(神谷さん)

オムライスの美味しさと作る楽しさを世界に伝えたい

昨年2月、神谷さんはオムライスのレシピ本を出版した。その名も「世界一おいしい バズる!オムライスレシピ」。卵やフライパンの選び方やプロ級に卵を仕上げるテクニック、美味しいソースやケチャップライス、バターライスの作り方など、オムライスに特化したレシピ本である。

さらに、今年5月には神谷さんが監修したオムライス専用フライパン「オムプロパン」を発売し、1カ月で500個も売れた。

神谷さんが監修したオムライス専用のフライパン「オムプロパン」8900円(左)とレシピ本「世界一おいしい バズる!オムライスレシピ」1540円(筆者撮影)

「誰でも簡単に美味しいオムライスを作ることができるフライパンができないかと思って2年ほど前からいろんな会社に問い合わせていました。しかし、ことごとく断られてしまい、断念しかけたときにSNSを通じて知り合った方の紹介で実現しました」(神谷さん)

通常のフライパンの場合、直火が当たる底の部分と縁の部分とでは温度が異なるため、オムレツを作ったり、卵でご飯を包んだりするのはかなり難しい。しかし、オムプロパンは、底と縁の温度を均一に近づけるように素材や厚み、カーブが緻密に計算されていて、料理の素人でも簡単に作ることができるという。

「SNSで海外からの問い合わせも数多くいただいています。オムライスの美味しさやオムライスを作る楽しさを世界に伝えることが私の使命だと思っています」(神谷さん)

たしかにオムライスは、とくにオムレツが豪快にのる神谷さんが作る「ぱっかーんオムライス」は、日本のみならず、海外でもウケそうである。筆者が6年前に訪れた台湾ではトロトロの親子丼の店に長蛇の列ができていた。今後も神谷さんの活躍に注目していきたい。

永谷 正樹 フードライター、フォトグラファー

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ながや まさき / Masaki Nagaya

名古屋を拠点に活動するフードライター兼フォトグラファー。

地元目線による名古屋の食文化を全国発信することをライフワークとして、グルメ情報誌や月刊誌、週刊誌などに記事と写真を提供。

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