保護者が「学歴偏重主義」に陥るリスクに警鐘 発達脳科学者が指摘、中受は本当に子どもの意思?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

子ども自身が「中学受験をしたい」「この学校に行きたい」と希望したとしても、その意思がどれだけ論理的に確立されているかを考えると、大人の意見と同様に扱うわけにもいかないという。

「最近は『うちは子どもがやりたいと言ったから受験させます』『私はやらなくてもいいんです』と言う親御さんが多くいます。でも、本当にそれは子どもの意思なのでしょうか。なぜ、わが子は中学受験をするのか。本当は保護者がやらせたいからこそやっているのではないか。その点をまずは自問してみてほしいと思います」

というのも、子どもは保護者の本心を読み取るものだからだと成田さんは続ける。「中学受験なんてやらなくてもいいのよ」と言うお母さんの表情や態度、言外のさまざまな要素から、「本当は受験させたいのよ」という本音を感じ取るのだ。

「受験は子どもの意思だと考える家庭では、成績が上がらなかったり、子どもが受験をやめたいと言い出したりすると、『あなたがやりたいって言ったのに!』と子どもに責任を負わせて追い詰める恐れがあります。子どもは親御さんの期待に応えようと、懸命に頑張っているのです」 

成績よりも心身を見てあげて

中学受験で成績に追い立てられる日々が続くと、真面目な子ほど緊張状態になり、不安が強くなる傾向にあるという。身体症状が出る子どももいる。

成田さんは「顔が青白い」「脈が速い」「呼吸が浅い」など、注意すべき点を挙げた。多くの子どもは、体調不良でも最後までけなげに頑張る。だがその状態では100%の力を発揮することはできないだろう。医師である成田さんは健康の大切さを強調する。

「受験日は万全のコンディションで迎えたいものです。体調管理のノウハウこそ、中学受験が終わっても将来どんな職業についても、一生役に立つものですよね」

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事