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ダイキンが狙うのはインド・欧米で「断トツ首位」 十河社長「買収加速しノウハウの横展開進める」

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ダイキン十河社長
とがわ・まさのり/1949年生まれ。北海道出身。1973年に小樽商科大学商学部卒業後、ダイキン工業入社。2002年取締役、2004年常務執行役員、2007年専務執行役員、2011年社長兼COO、2014年6月から社長兼CEO。ダイキンの内部統制委員会委員長も務める(撮影:尾形文繁)
空調で世界シェア首位のダイキン工業。売上高は2022年度で3兆9815億円と4兆円の大台目前に迫った。売上高が初めて3兆円を突破したのは2021年度のことだった。世界的な空調機需要の高まりを追い風に急成長を遂げ、2年後の2025年度には「売上高4.55兆円、営業利益5000億円」に到達する計画だ。国内外の事業戦略、環境規制への考え方、そしてイノベーションに対する危機感を十河政則社長自ら語った。

 

――約200億円を投じて茨城県に新工場を建設すると8月2日に発表しました。国内のエアコン市場が頭打ちとなる中で、新工場建設に踏み切るのはなぜですか。

市場全体のパイが大きくならないとしても、シェアを上げていくことはできる。国内ではルームエアコンで22.5%のシェアを抱えている。これを30%まで伸ばしたい。業務用エアコンでは45%ぐらいのシェア。こちらは50%まで引き上げたい。

電気代が高騰していることもあり、省エネ性能で差別化を進める。われわれが抱える販売ルートに対して販促支援をしたり、換気や空気清浄などのシステムと併せてお客さんのニーズを捉えることができれば、国内も伸ばしていける余地はまだまだある。

そもそも、空調の売り上げでは東京を中心とした関東圏が4割程度を占める一方で、当社の国内工場は関西に集中している。消費地に近いところで生産するほうが物流費などの効率化につながるし、災害などへの備えにもなる。茨城県は人材獲得でも優位性がある。

関西の生産能力がフル稼働でも足りなくなってきていたこともあり、1年ぐらい前から検討し始め、複数の候補地を考えたうえで決定した。2027年から2028年の間に家庭用ルームエアコンの生産を始める予定だ。東北や北海道など寒冷地向けエアコンの出荷拠点としても検討している。

将来的にはインドからの輸出も

――インドを一大拠点化すると表明しました。インドでの売上高は2023年度で1380億円。それを2025年度に1750億円にする目標です。短期間でどうやって成長させるのですか。

ルームエアコンでは、北部のニムラナに年150万台生産できる工場がある。南部のスリシティでも同規模の能力の工場が稼働する。それでも足りないので、西部に200万台ぐらい生産できる工場を作れないか、検討している。計500万台の生産能力になるが、まだ足りないかもしれない。

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