地盤沈下に苦しむ石巻市、満潮時に床上浸水、通学・買い物にも支障
近隣の小中学校では、満潮の時間帯を避けるために通学時間帯や通学路の変更を余儀なくされている。出会った小学生は「水が増えてきて怖い気がする」と話した。
万石浦地区の住民の多くは、石巻市に罹災証明書の申請をしている。ただ、住宅そのものは残っている場合が多いため、「事実上住めなくなっているのに、一部損壊や被害なしなどの扱いを受けるのではないか」と心配する住民が少なくない。
石巻市建設部は4月下旬、「石巻の都市基盤復興に向けて」と題した「新都市構想」を発表。「災害に強いまちづくり」を掲げた。だが、その中で、万石浦地区は「水産加工ゾーン」や、住宅地にも分類されない何も色が付いていないゾーンになっている。
地震や津波被害がクローズアップされる一方、地盤沈下による浸水被害はあまり注目されていない。「罹災証明の申請の際も津波はどこまで来ましたかと聞かれるばかりで、海水の流入について理解してもらえたのか不安を感じた」と前出の丹野さんは話す。
「とにかく早く対策を講じてほしい」(丹野さん)とやきもきする住民は少なくない。
(岡田 広行 =東洋経済オンライン)
■万石浦地区の学校に通う子ども。「水が増えてきて怖い気がする」と話す
■水しぶきを上げて自転車が走る
■満潮が近づくとマンホールから水がわき出してくる
■地盤沈下の事実を示す道ばたの痕跡
■通行止め箇所が多く、生活に支障が出ている
■国道398号線(女川街道)も冠水
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