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クレカで乗車、鉄道「タッチ決済」海外での存在感 ロンドンは導入約10年で交通系カードを圧倒

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ロンドンの運賃ルールにおける「1日」は午前4時30分からの24時間。したがって、運賃キャップ制度では、利用者がこの間にどのように利用したかを計算したうえで、銀行カードの場合は翌日の朝に利用者の口座から引き落とす。乗車ごとに運賃がどう引かれたかは乗ったその場ではわからない仕組みとなっている。

このような「その日の運賃キャップ」システムは、日本でも福岡市交通局(地下鉄)が導入している。現在のルールでは「1日のタッチ決済額を合計した結果、640円を超えた場合には640円までとする」(同交通局のサイトより)との設定で、「対象となるタッチ決済対応のクレジットカードなどを、乗車時および降車時に対象駅の専用読み取り部にタッチすることで、地下鉄乗車料金の決済が完了」と定められている。つまり運賃設定ルールはロンドンとほぼ同様と考えてよさそうだ。

運賃キャップ制度によって、その日の初めに「1日乗車券のほうが安いのかどうか」を悩む必要もなくなる。ロンドンでは、タッチ決済による運賃キャップ制度の導入を受け、もともと多数の組み合わせがあった紙の1日乗車券は、一部を除いて駆逐されてしまった。

交通機関「全面キャッシュレス」の流れ

海外の都市によっては、「乗り物利用は全面的にキャッシュレス」との方針を打ち出すところも出てきている。その街を初めて訪れる旅行者や出張者にとっては、見慣れない自動販売機で切符を買うことなく、自分が持っているカードで即座に乗り物を利用できるならこんなに便利なことはない。海外の場合は現地通貨への両替にも悩まされるが、このシステムなら小銭を用意する心配もない。

タッチ決済を導入している海外の都市では、切符購入より圧倒的に安く乗れるインセンティブをつけていることが多い。それも、ポイント返還や割引率5~10%といったものではなく、運賃が一気に半額以下になるケースも少なくない。自身が保有するカードが使えれば、訪問先都市のカードを新たに買って、数日間の使用後、デポジットを支払ったままにしておくようなことも防げる。

ロンドン地下鉄の自動券売機。台数の削減が進んでいる(筆者撮影)

首都圏では半導体不足の影響によるSuicaとPASMOのICカード販売一時中止が続いている。もし利用客自身が持つクレジットカードなどで電車に乗れるようになれば、鉄道会社が用意するべきカードの枚数も削ることができそうだ。

「運賃キャップ制度」も含め、よりわかりやすい便利な乗車方法が各都市で広がる日を期待したい。

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