ただ寄付するだけではダメ! 企業の社会貢献にはコミュニティ投資という考え方が必要


 企業としてはもちろんプラスのインパクト(よい影響)のために社会貢献活動をするのだが、インパクトがマイナス(悪い影響)になる場合もありうる。もし測定した結果がマイナスのインパクトだった場合は、きちんと見直して継続的に改善していけばよい。

スマトラ沖地震の津波や四川大地震のときも、被災者の多くは「メディアの注目が集まっているうちはまだいいが、復興期間が長引けば長引くほど自分たちは忘れられてしまうのではないか」という懸念を抱いていた。

今回の東日本大震災は地震、津波、原発事故というトリプル災害であり、復興には相当期間がかかると予想されている。被災者の将来への不安はかなり大きいと考えられる。

こうした中、被災地、被災者の各企業への期待は大きい。ただ、やみくもに社会貢献してもムダになることもある。復興支援が被災者のニーズに合っているかどうかは、その支援がもたらしたインパクトを測定し、その結果をステークホルダーに説明し、継続的に取り組むことが必要だ。今こそ各企業は「コミュニティ投資」という考え方を取り入れ、「企業の社会的責任」を果たしていくべきだ。


あかばね・まきこ

 CSR Asia日本代表。さまざまな業種の多国籍企業でCSR担当として10年以上の経験を持つ。スターバックス コーヒージャパン、セールスフォース・ドットコム、日興アセットマネジメントの各社で関連部署の立ち上げを手掛ける。2002年にはスターバックス コーヒージャパンの社長賞受賞、06年には社員ボランティアの仕組みが評価され、セールスフォース・ドットコムをさわやか福祉財団の「ナイスサポート賞」受賞に導く。いずれの受賞も企業のCSRプログラムを本業とうまく統合させていくことが評価されたもの。セールスフォース・ドットコムではシンガポール支社でのCSR部署の立ち上げを経験。ほかにも日本以外ではタイ、韓国、中国でのCSRプロジェクト実施の実績がある。早稲田大学で政治学と生物学を修め、カリフォルニア大学リバーサイド校、タフツ大学、慶應義塾の各大学院で学ぶ。清泉女子学院大学、立教大学、慶應義塾大学、APABIS、ブリティッシュ・カウンシルをはじめ講演多数。

写真は東日本大震災による避難所、本文とは関係ありません。

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