日経平均続伸、1万9600円前後では様子見に ヘッジファンドの「売り」は終わった?
[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸した。米雇用統計の内容を好感した前週末の欧米株高などを背景に、東京市場も幅広い銘柄に買いが先行。日経平均は朝方に一時300円を超す上昇となった。ただ、買い一巡後は利益確定売りに抑えられ、上値の重い展開。今晩にユーロ圏財務相会合を控えていることも様子見要因となり、1万9600円近辺でもみ合った。
8日に発表された4月米雇用統計が米経済に勢いが戻りつつあることを示唆する一方、米国の早期利上げ観測が強まるほどの強い内容ではなく、超低金利が当面続くとの見方が広がり、欧米株を押し上げた。10日に中国人民銀行(中央銀行)が発表した貸出および預金の基準金利引き下げも市場心理の改善につながったという。
国内企業の決算発表を受けて好業績銘柄を物色する動きも指数上昇を支援した。ただ、8日に3期連続の最高益予想と自社株買い実施を発表したトヨタ<7203.T>が買い一巡後に下げに転じたほか、朝方に年初来高値を更新した三菱UFJ<8306.T>も終値は小幅安となり、一部主力株への利益確定売りが指数の上値を押さえた。
「4月下旬から続いているヘッジファンドなど短期筋のポジション巻き戻しが一巡したとは言いきれず、上値では利益確定売りが出やすい。日経平均は25日移動平均線(1万9718円00銭=11日)に接近し、戻り一巡感も出ている」と、松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は述べた。
個別銘柄では、JXホールディングス<5020.T>が後場に入り年初来高値を更新。11日に発表した2016年3月期の連結営業損益が2500億円の黒字の見通しとなり、トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト12人の予測平均値(1859億円の黒字)を上回ったことが評価された。
半面、シャープ<6753.T>が東証1部値下がり率トップ。同社が資本金1億円への大幅な減資を検討していると報じられ、嫌気売りが出た。また、 東芝<6502.T>がストップ安。不適切な会計処理の問題で2014年度の業績予想を未定に変更し、先行きを懸念する売りに押された。
東証1部騰落数は、値上がり1309銘柄に対し、値下がりが460銘柄、変わらずが113銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 19620.91 +241.72
寄り付き 19637.58
安値/高値 19586.81─19679.63
TOPIX<.TOPX>
終値 1598.33 +10.57
寄り付き 1608.67
安値/高値 1597.26─1612.43
東証出来高(万株) 289377
東証売買代金(億円) 28468.03
(杉山容俊)
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