英総選挙、保守党が第1党維持へ 労働党はスコットランドで惨敗 労働239、SNP58、自民10、UKIP2の見通し

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 5月7日、英国で行われた下院総選挙は現時時間午後10時に投票が締め切られた。出口調査によると続投を目指すキャメロン首相の保守党が第1党となる勢い。写真は投票に向かうキャメロン首相夫妻。(2015年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 8日 ロイター] - 英国で7日に行われた下院総選挙(定数650)の出口調査によると、続投を目指すキャメロン首相率いる与党保守党が第1党を維持する見通し。ただ、単独過半数の議席は獲得できない情勢となっている。

保守党が勝利すれば、欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票が2年以内に実施される可能性が高い。

出口調査に基づく各党の獲得議席数予想は、保守党が316議席、最大野党の労働党が239議席。この数字が確定すれば、労働党は約30年ぶりの惨敗を喫し、スコットランドの選挙区での議席を失うことになる。

一方、英国からの独立を目指すスコットランド民族党(SNP)は、スコットランドに割り当てられた59議席中、過半数となる31議席を獲得。出口調査によれば58議席を獲得する見通しで、労働党の伝統的な牙城を切り崩した。前回の総選挙では、スコットランドにおけるSNPの議席は6にとどまっていた。

このほか、保守党と連立政権を組んでいた中道左派の自由民主党が10議席にとどまり、反欧州連合(EU)を掲げる英国独立党(UKIP)は2議席を獲得する見通し。

保守党と自由民主党を合わせた獲得議席数は326議席で過半数となる勢い。

保守党のマイケル・ゴブ議員は「(出口調査が)正しければ、保守党がこの選挙に勝利したのは明らか」と述べた。

開票速報でも、労働党への支持が予想をはるかに下回ったことが示されている。出口調査の専門家は保守党が過半数を獲得する可能性を否定していない。

出口調査の結果に基づけば、キャメロン首相は政権発足にあたり、自由民主党あるいは北アイルランド同盟党との2党連立、あるいは両党との3党連立という複数の選択肢が考えられるほか、保守党単独での政権運営も可能だ。

下院の定数は650議席だが実効過半数は323議席であるため、保守党は実質的に過半数を握るのに非常に近い議席を獲得する見通し。

今回のSNPの躍進を受け、スコットランド独立をめぐる住民投票を求める機運が再び高まる可能性がある。

SNP元党首のアレックス・サモンド氏は「SNPは無視できず、止めにくい存在になる」と発言。SNPの躍進により、保守党が議席を獲得しないとみられるスコットランドにおけるキャメロン首相の正当性は失われるとの見方を示した。

スコットランドでは、労働党の選挙戦略主任を務める現職のダグラス・アレクサンダー氏がSNPから立候補した20歳の学生に敗北。労働党に打撃となった。

保守党の勝利が確定すれば、選挙前に不安定だったキャメロン首相の党首としての地位は確実なものとなる。予想以上の結果で党内の不満は抑えられるとみられる。

一方、惨敗が予想される労働党のミリバンド党首は辞任を迫られる可能性が高い。出口調査によると、労働党がSNP、緑の党と連立を組んだ場合でも過半数議席には届かない見通し。

*内容を追加して再送しました。

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