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「ケガや空腹に気づかない」感覚鈍麻という"痛み" 知られざる「痛みを感じない子たち」の苦しみ

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じつは、「感覚鈍麻」は「感覚過敏」と同時に併発するケースが多く、先述した感覚過敏研究所によるアンケートでは、90%以上の人が併発していると回答している。

・「痛覚は鈍麻だけど触覚過敏で、ある種の服、シャワーなどは痛い」(28歳・女)
・「骨折しようが痛みはわからないのに、人に身体を触られるとその感覚が何時間も残る」(18歳・女)
・「そのときの体調や目的、誰と一緒かなどの環境により、まったくダメなときと大丈夫なときがあります」(7歳・女児 ※親による回答)

こうした回答を見ていると、ひと口に「感覚過敏」「感覚鈍麻」といってもその症状はじつに多様であり、また、環境や感情、体調等によって同じ人でも感じ方はその都度変わるのだということがわかるだろう。

どんな感覚も、その人の「個性」である

黒川氏は、次のようにメッセージを贈る。

『カビンくんとドンマちゃん 感覚過敏と感覚鈍麻の感じ方』(ワニブックス)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「本来、感覚は1人ひとり違い、どんな感覚もその人の個性です。私たちは『感覚のとらえ方には幅がある』ということを意識し、特性のある人の声を聞いて、どんなことに困っているかを知ったり、どんな配慮があれば問題なく過ごせるかに想像をめぐらせたりする必要があるでしょう」

そう、感覚に特性があることは、それが過敏であれ鈍麻であれ、決してネガティブなことではないのだ。とくに「感覚鈍麻」といった、いまだ正しい知識の行き届かない特性に関しても、(現時点は)ただの少数派であるにすぎない。

私たちは、特性のあるなしにかかわらず、どんな人でも平等に暮らしていく権利がある。それが“当然”に配慮される社会になることを、願ってやまない。

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