実際に、2022年5月に韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領率いる保守政権が登場して以来、北朝鮮は韓国に敵対的な姿勢を示してきた。金総書記と首脳会談を行うなど、相対的に北朝鮮に融和的だった前の文在寅(ムン・ジェイン)政権とは違い、尹政権はアメリカや日本との安保関係を強化し、北朝鮮には強硬な姿勢を示しているためだ。
朝鮮中央通信に掲載された金・副部長の談話内容。左は日本語版で、赤で囲ってある部分が「大韓民国」。右の朝鮮語版では《》で大韓民国という固有名詞が囲ってある(写真・朝鮮中央通信ホームページからのスクリーンショット)
「強硬には超強硬」の姿勢を示すのが北朝鮮の常。今回は表記であえて強い姿勢を示すため、≪大韓民国≫と表記して皮肉を込めた韓国批判を行ったとみることができる。
これに少なからず衝撃を受けているのが、韓国側だ。現在は対北強硬の保守政権であっても、大統領選挙では尹大統領は僅差で勝利した。言い換えると、前政権の対北政策を継ぎ融和的な政策を支持する政党や国民も多く存在する。
韓国の全国紙「ソウル新聞」は2023年7月13日の社説で、「北朝鮮がそれまで統一を志向する同じ民族同士の特殊な関係と見なしてきた南北関係を、国家関係、敵対国としての関係へ変化させようとしていると韓国側では受け止めている」と韓国内の状況を説明する。
この記事は有料会員限定です
残り 1345文字
