駅売店、かつての売れ筋「新聞・雑誌」が消える事情 店リニューアル時に販売縮小、切手やたばこも

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縮小

また、「toks」では郵便切手も扱わなくなり、たばこも扱う店舗を減らしたとのことだ。車内で新聞・雑誌を読む人と同様、たばこも吸う人が少なくなっており、駅には喫煙所もなくなった。そんな中での販売縮小はやむをえないだろう。切手も使う機会は減っている。一方、菓子やデザート関連は、商品の最小管理単位数を増やしているという。

かつて駅の売店といえば、たばこ・新聞・雑誌が「三種の神器」とされていた。まさに、その3つが縮小しているわけだ。電車が来るまでホームの売店で買ったたばこを吸い、車内で中づり広告を見て降りた駅の売店で雑誌を買う……といった消費スタイルはもはや過去のものになった。そして、これらの商品を主力とした売店そのものが減少してきている。

駅の販売商品、これからどうなる?

一方で、食品類などを充実させたコンビニ型の店舗は盛況だ。大手私鉄は全社がセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社いずれかとの提携による駅コンビニを出店している。JR東日本は大手との提携ではなくグループのコンビニNewDays(ニューデイズ)を各駅に展開するが、立地のよさに加え独自商品開発などでコンビニ業界の中でも存在感を発揮している。

高輪ゲートウェイ 無人コンビニ
駅構内にはキャッシュレス・無人のコンビニも登場している=2020年、高輪ゲートウェイ駅(撮影:尾形文繁)

大手コンビニのフランチャイズ店舗は、コンビニ側が品ぞろえを決定するということであれば、スペースや立地にもよるだろうが、コンビニが新聞・雑誌の取り扱いを継続すれば駅ナカ店舗でも販売が続くと考えられるだろう。だが、市中のコンビニでも雑誌コーナーは縮小傾向である。

週刊誌の中づり広告が相次いで車内から姿を消し、駅からも新聞・雑誌が消えつつあるのは、こういったメディアの置かれた厳しさを映し出しているといえる。そして、かつて駅で売れる主力商品だったこれらの衰退と、それを反映した「売店」から駅コンビニへの転換の流れも続く。今後も、この傾向は変わらないと見ていいだろう。

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小林 拓矢 フリーライター

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こばやし たくや / Takuya Kobayashi

1979年山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。鉄道・時事その他について執筆。著書は『早大を出た僕が入った3つの企業は、すべてブラックでした』(講談社)。また ニッポン鉄道旅行研究会『週末鉄道旅行』(宝島社新書)に執筆参加。

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