ちいかわの「1分アニメ」朝の放送に合う納得理由 「めざましテレビ」内での製作の裏側を聞く

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フジテレビ・アニメ制作部の障子直登氏は「アニメ制作部にアニメ化のお話をいただきました。1話が1ページの漫画をアニメ化するにあたって、1分ほどのミニアニメとして考えました。それを今年30年目を迎えたフジテレビの看板番組の中でやらせていただきたいと考えて、プロジェクトがスタートしました」と振り返る。

アニメ『ちいかわ』19話 ©ナガノ / ちいかわ製作委員会

『めざましテレビ』のコンセプトは、1日のはじまりに視聴者それぞれの心のスイッチをオンにして、ポジティブな気持ちになってもらうこと。そこにつながる、頑張る人を応援するようなショートコーナーが積み重なって番組が成り立っている。

『ちいかわ』は子ども向けに見えながら、キャラクターたちが労働をして頑張っている姿などが、幅広い年代の心に刺さっている。漫画が持つ世界観は、番組が視聴者に届けたいコンセプトと親和性の高いコンテンツだった。

フジテレビ・アニメ制作部の障子直登氏(撮影:梅谷秀司)

フジテレビ『めざましテレビ』チーフプロデューサーの高橋龍平氏は、「コンセプトも描かれる世界観も『めざましテレビ』とシンクロします。(提案を受けた際に)世の中でも『ちいかわ』に対する熱量があり、まさに社会的なブームになる直前だと感じました。情報番組として、時代を捉える新しいコンテンツとタッグを組ませていただくことがとても重要なことなので、ぜひご一緒させていただきたいと思いました」と企画時の心境を明かす。

フジテレビ『めざましテレビ』チーフプロデューサーの高橋龍平氏(撮影:梅谷秀司)

たしかに、大人向けの深夜アニメ放送枠よりも、小さな子供も大人も楽しめる朝の情報番組のほうが、『ちいかわ』の内容との相性がよく、視聴者の属性とも合っているだろう。幅広い視聴者層が見る『めざましテレビ』での放送が、『ちいかわ』を老若男女に愛されるコンテンツとして育てている側面もありそうだ。

公式アカウントフォロワー数、YouTube再生数共に激増

昨年4月から週1のアニメ放送がスタートすると、その影響は顕著に現れた。

『ちいかわ』(ナガノ氏)の公式Twitterアカウントのフォロワー数は、アニメ化前の80万から伸び続け、現在では220万を超えている。『めざましテレビ』YouTubeチャンネルの登録者数もアニメ化前の18万から現在は40万ほどに増えた。

高橋氏は「アニメ配信は毎話150万回ほど再生されており、番組YouTubeチャンネルのほかの動画と比べると圧倒的に再生回数が多い」とその人気ぶりを語る。

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