ちいかわの「1分アニメ」朝の放送に合う納得理由 「めざましテレビ」内での製作の裏側を聞く
そんな中、この4月からは週2回の放送に拡大した。障子氏は「週2回、楽しみにしていただきながら、続きもののお話もあるので、追っていただきたい。1話1話を大切に、アニメを長く見ていただきたいと考えたときに、ちょうどいいペースになっていると思います」と語る。
『ちいかわ』と『めざましテレビ』とのタッグには双方にメリットがある。
アニメ化により、『ちいかわ』は高齢者などSNSだけでは届けられない層にも広く認知されるようになった。さらに、朝の情報番組内での放送だからこそ、アニメ放送だけでなく、グッズや関連イベントなども番組内で紹介することができ、多面的なアプローチをすることが可能となっている。
ナガノ氏とも意見交換を行う
一方、『めざましテレビ』にとっては、時代の先端をいく人気コンテンツを独占放送し、一緒に育てていくことができるメリットがある。現在、同番組の30周年ポスター2種のうちの1つは『ちいかわ』と番組キャラクターの『めざましくん』になっている。
番組との相乗効果が生まれているアニメ化には、原作者のナガノ氏もアニメ制作スタッフとのコミュニケーションを密に取ってクリエイティブに関わっている。
「『めざましテレビ』の中で放送するアニメとしてどう落とし込むかというときに、音楽の有無など細かな意見交換をさせていただき、番組全体の中でこういうふうに放送していきたいということをお話しさせていただいています」(障子氏)
『ちいかわ』がZ世代など若年層と相性がよく、現実社会とリンクする内容で社会人層にも訴求していることはこれまでにも伝えられている。では、実際にアニメ化を手がけたフジテレビの障子氏と高橋氏は、30〜40代の視聴者層に受け入れられている理由をどう捉えているのだろう。
「その世代がまさにアニメで描かれるような現実社会の問題に直面しています。ファンシーな世界の中で追体験することで、心を奪われてしまうのではないでしょうか。現実的かつ人間味のあるストーリーに加えて、作品のかわいらしさを好きになって楽しんでいただいています。そこが大きいと感じます」(障子氏)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら