クラウンと競合?「408」が映すプジョーの新世界 400万円台からのフランス流クロスオーバー

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室内はデジタル化が進んでいて、窓の曇りとりやハザードランプなど、物理的なスイッチは少ししか残されていない。

メーターを上部に置き、その下に小径のステアリングを設置するi-Cockpit(写真:Stellantis ジャパン)

運転席前の速度計や回転計を入れたモニターと、ダッシュボード中央のインフォテインメントシステムのモニター。この2つを中心に、建築物のようなイカした面構成がデザイン上の魅力となっている。

運転席に腰をおろして、ダッシュボードを、その陰影がつくる表情とともに眺めていると「いいモノに接しているなぁ」と、うれしい気分になった。ただし、速度計などのモニターの大半は、ハンドルに遮られて情報がよく見えない。ヘッドアップディスプレイをつけてほしいというのが、私の切なる願いだ。

ステアリングホイールがメーターの一部を隠してしまう……(写真:Stellantis ジャパン)

静粛性は全体的に高いし、試乗したGT HYBRIDに標準装備だったFOCAL(フォーカル)の10スピーカーオーディオもなかなか良い音だ。今の音源だと低音の表情を再生するのにいまひとつなところがあるけれど、でもいい雰囲気だと思う。

後席に乗るには、ルーフラインが下がっている影響のため、頭をしっかりかがめていないといけない。乗ってしまえば、2790mmのホイールベースを使いきったパッケージングによって、落ち着いていられる。

アートピースとしてのクルマ

408 GT HYBRIDの価格は629万円。昨今のプジョー車は、「508 GT HYBRID」だと725万8000円もするし、決して気軽なクルマではない。もちろん、価格を重視するなら、ガソリンモデル(429万円〜)という選択も大いにアリだ。

「Allure」「GT」「GT HYBRID」と「GT HYBRID First Edition」の4タイプをラインナップ(写真:Stellantis ジャパン)

クラウン クロスオーバーを最後にもう一度引き合いに出すと、こちらだってベースモデルが435万円で、上級グレードになると640万円に達する。

どうせだったら他人と違うクルマに……という人や、クルマを一種のアートピースと考えたい人には、プジョー408のキャラクターは光ると思う。車体色は、実車をじっくり眺めて決めてください。個人的には“オブセッション・ブルー推し”です。

<プジョー 408 GT HYBRID>
全長×全幅×全高:4700mm×1850mm×1500mm
ホイールベース:2790mm
車重:1740kg
パワートレイン:1598cc 4気筒ガソリン+プラグインハイブリッド
最高出力:132kW(エンジン)+81kW(モーター)
最大トルク:250Nm(エンジン)+320Nm(モーター)
駆動方式:前輪駆動
燃費:17.1km/L(WLTCモード、ハイブリッド燃料消費率)
EV走行距離:65km(JC08モード、EV走行換算距離)
価格:629万円
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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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