中国造船大手、ドイツのガスタービン事業を買収 手続きには中国政府とドイツ政府の認可が必要

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GHGTはMANエナジーソリューションズからの事業買収をテコにグローバル化を加速する。写真は両社の買収合意の署名式典(GHGTのウェブサイトより)

中国の国有造船最大手の中国船舶集団(CSSC)は、ドイツの産業用エンジン大手MANエナジーソリューションズのガスタービン事業を買収する。6月21日、CSSCの子会社で産業用ガスタービンを手がける中船重工龍江広瀚燃気輪機(GHGT)が、MANエナジーソリューションズとの合意書に署名した。

GHGTが買収するのは、ガスタービンの先進技術や生産拠点にとどまらない。MANエナジーソリューションズがドイツのオーバーハウゼン市とスイスのチューリヒ市に持つ工場と研究開発センターとともに、販売・アフターサービスのネットワークや関連部門を丸ごと吸収する。

買収手続きの完了後、GHGTはヨーロッパの拠点をグローバル戦略の中核に位置付ける計画だ。ドイツとスイスで新製品や新技術の開発を続けると同時に、(GHGTにとって)より顧客に近い立ち位置でのグローバル・サービス網の構築を目指すという。

なお、両社は合意した買収金額を明らかにしていない。また、実際に手続きを進めるには、中国政府およびドイツ政府の所管当局の認可が必要だ。

「世界の一流企業を目指す」

GHGTはCSSC傘下の技術研究所を母体に、2013年5月に設立された。主力製品は(石油・天然ガスのパイプラインの圧縮機などに使われる)中小型の産業用ガスタービンで、開発・製造から販売・アフターサービスまで一気通貫で手がける。

売却側のMANエナジーソリューションズは、船舶用エンジンやターボ機械ユニットの世界的大手であり、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲングループの一員だ。

「今回の買収は、先進技術の獲得と事業のグローバル化を見据えた戦略的に重要な決断だ」。GHGTの董事長(会長に相当)を務める林楓氏は、買収発表の声明のなかでそう述べ、今後の抱負を次のように語った。

本記事は「財新」の提供記事です

「わが社はこれまで、中小型ガスタービンの製造と技術開発に一貫して取り組んできた。買収を機に、製品ラインナップの充実やグローバル市場の開拓を加速し、中小型ガスタービンの分野で世界の一流企業の仲間入りを目指す」

(財新記者:朱新顔、包志明)
※原文の配信は6月25日

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