「命が大切」というのは正論。しかし、その犠牲になるのもここの住民なんです--飯舘村・菅野典雄村長
「命が大事」ということは誰だってわかっている。私もそう思っています。当たり前の話です。しかし、それだけではないでしょう、とちょっとでも異を唱える人は誰もいなかった。責められたくないからでしょう。
私は責められています。毎日のように「殺人者」などと書かれたメールがいっぱいくる。これだけ騒がれているにもかかわらず、何ら避難措置などを発令していないから。
しかし、たとえば、他の自治体では、どんどん措置を発令して、その結果として、いま、住民の居住地などを把握することが困難化し、にっちもさっちもいなかなくなっているところもある。
昨日も、福山官房副長官に「非難命令に従わなければ、罰則規制があるか、とたずねたら、「罰則規定はありません」ということだった。そうなんでしょうね。
当初、累積放射線量は年間100ミリシーベルトまでは大丈夫ということだった。ましてや、政府は計画的避難地域の導入に合わせて、この地域の累積放射線量の基準値を事故発生から1年間で50ミリシーベルトから20ミリシーベルトに下げました。この措置は、この村を避難地域に入れたいためだったとしか思えない。「1年間で20ミリシーベルトを超えるから、この村から出なさい」という理屈を作るため、ということです。そうなったのは、みなさんがたが政府を責めているからでもある。
みなさんの声が、早く住民を地元に戻すべきである、というように変わるようにと信じています。
--今後の対応は?
当面は、避難先を探して、できるだけ濃度の高いところにいる住民、子どもがいる家庭を率先して他の地域に避難させていく。村を離れれば仕事を失うが、なんとも仕方がない。そうでしょ。