新生銀行を悩ます株価、公的資金返済の壁

メガバンクでも地銀でもない「強み」とは?

公的資金の完済について「できるだけ早期に」と言うのがやっと。株価低迷がネック。

「メガバンクや地銀と同じことをする銀行になっても意味がない。独自のビジネスモデルを追求し、存在意義を発揮していく」──。

当麻茂樹現社長から15歳若返り、6月から新生銀行(旧・日本長期信用銀行)のトップに就く工藤英之常務執行役員(51)はこう意気込む。が、公的資金を注入された大手銀行の中では、立ち遅れ感がある。りそなホールディングス(HD)が6月にも公的資金を完済し、あおぞら銀行(旧・日本債券信用銀行)も前倒しで完済する意向を3月下旬に発表したばかり。新生銀行だけが唯一、完済メドを打ち出せずにいるからだ。

具体的な方針を出せないのは、政府に対し発行した公的資金優先株が普通株に転換されているため。りそなHDやあおぞら銀行の株式は優先株のため、政府と相対で分割返済することができた。一方、新生銀行の場合、株価の低さがネックになっている。

あおぞら銀行と対照的

政府は新生銀行に対する公的資金の回収で、5000億円という「確保目標額」を設定している。1506億円は新生銀行が返済済みで、残りは約3500億円。政府の保有株式数で割ると、1株当たりの価格は745円。一方、現在の株価は249円(5月8日終値)。あと3倍近い値がつかなければ、政府の目標金額に達しないのだ。

公的資金注入後、新生銀行は信販会社のアプラス、消費者金融のシンキとレイクなど、個人向け金融会社を中心に、買収を重ねてきた。しかし、これらは貸金業法改正による過払い利息返還などで多額の損失を計上しており、十分なリターンが上がっているとは言いがたい。

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