デレク:「ちょっと待て。自転車に乗ることをネガティブなことに紐づけるなんてもったいないじゃないか。少し落ち着けよ、ってね。今日は、同じ道を、カタツムリみたいにゆったりと進む必要はないけど、いつもの半分のペースでこいでみよう」
そんな感じで出かけていったら、純粋に楽しめたんだ。
たった2分の違いしかなかった
自転車は変わってないのに、上体を起こす余裕がでてきたり、周りを見渡す回数だって、いつもよりずっと多いことに気づいた。
海に目をやると、海中からイルカがジャンプする姿が見えたりしてね。
それからいつもの折り返し地点、マリナ・デル・レイ(世界最大のマリーナの1つ)まで下っていったところで、真上を旋回するペリカンの姿が目に入った。
僕はこんな気分で見上げたんだ。「やあ、ペリカンじゃないか!」。
そいつは、僕の口の中に糞を落としやがった。
つまり、僕が言いたいことはこうなんだ。とても素敵な時間だったし、心から楽しめた。真っ赤な顔も、荒い息遣いもそこにはなかった。
それから終点について時計を見ると、45分しか経っていなかったんだよ。
「これはどういうことだ? いつもの43分は何だったんだ。そんなはずはない」
だけど、間違いじゃなかった。かかった時間は45分だった。
このことは、それ以来、物事に取り組む僕の姿勢を変えるきっかけになった、とても奥の深い学びとなったんだ……。
考えれば分かることなんだけどさ。それが何であれ、僕が顔を真っ赤にしながら、息を切らしてハァハァ言っても、それを、ものすごくストレスに感じていても、そのストレスが生んだものはたった2分の差でしかなかったんだ……。
それってほとんど意味がないと思わない? そして思った。
人生のあらゆる場面で最大限の力を出すこと――たとえば、あらゆるものから最大限のお金を引き出そうとか、毎分毎秒全力を出し尽くすとか――こんなことにストレスを感じる必要なんて、まったくないと。
それ以来、正真正銘、僕はこのスタイルを、生活に取り入れるようになった。何かに取り組むとしても、ストレスを感じる前にやめてしまうんだ。
心の中で、「あぁ」とうめいている自分に気づくことがあると思う。
それが僕にとってのサインなんだ。それを、身体に感じる痛みのように扱ってあげるんだよ。
今僕は何してる? 自分を傷つけるようなことはやめる必要があるんだ。それって何だろう?たいていの場合、何かにシャカリキになりすぎていたり、本当はやりたくないことを、イヤイヤやっているときなんだよね。
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