デレク:ロバは最後まで、どちらを選ぶか決めかねて、飢えと喉の渇きで死んでしまった。
ロバには未来をよむことができない。もしそれができていれば、まずは確実に水を飲んで、それから干し草を食べただろうね。
だから、30歳の僕に、ロバにはなるなって言いたい。やりたいことは時間をかければ全部やれる。先を見通す目と忍耐力、これを身につけるだけでいいんだってね。
「忙しい」=コントロール不能
デレク:みんな、僕に連絡してきては、必ずこう言うんだよね。「ものすごくお忙しいとは思いますが……」。
そのたびにこう思うんだ。「いいえ、忙しくありません」って。
だってちゃんと時間管理ができているからね。この点に関しちゃ、自信があるんだ。「忙しい」というのは、僕にとっては「コントロールできていない」っていう意味なんだ。
こんな感じかな?「チクショウ、忙しすぎる。これをする時間が見つからないじゃないか」
僕に言わせれば、こういう人間は、人生をコントロールできていないんだよ。
(ティムから)時間が足りていないのは、優先順位をつけていないからだ。仮に僕が「忙しい」としたら、それは自分でそうなるように仕向けたからだ。
だから僕は「調子はどう?」と聞かれたら「忙しい」と答えないようにしている。不満を言う権利なんてないんだから。
代わりに、もし僕が忙しすぎるとすれば、自分のやり方やルールを見直す良いきっかけになる。
デレク:僕はずっと、いわゆるタイプA(競争的で攻撃的で過剰に活動的な性格)の人間だった。
ロスに住んでた頃、友人からサイクリングに誘われたんだ。サンタ・モニカの海のすぐそばに住んでたんだけど、40キロくらい続いてる、広いバイクレーンがあってね。
僕はいつでも重心を低くして、こぎ始める。息を切らして、真っ赤な顔で、できるだけめいっぱい、こいでこいで、こぎまくるんだ。
レーンの端まで行って、また戻ってくる。それから家に帰るんだけど、毎回小さなタイマーで時間を計ってた。
いつも43分かかることに気づいたんだ。どれだけ速くこいでも、43分かかる。
そして続けるうちに、自転車に乗ることを少し億劫に感じている自分に気づいてしまったんだ。
自転車に乗ることを考えると、いやな気持ちになって、つらい仕事に取りかかるときのようになってるな、って。
それでこんな風に気持ちを切り替えたんだ。
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