子どもの習い事は、「やめ時」が肝心! 空手、習字、サッカー…と増える一方

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おおた:でもやっぱり「やる気を引き出す」という意味では、本人がやりたがることは、なんとか実現させてあげたいですよね。「サッカーをやりたい」というんだったらサッカーをやらせてあげる。これは親の基本的な姿勢として、必要だと思うんです。

ただそのときに、「やりたいのね、じゃあすぐやりましょう」というのではなく、少し考える時間を与えるのも必要かな、と思います。

「本当にサッカーをやりたいの? もうちょっと考えてみようか」といって、2週間後に気持ちが変わっていないか聞いてみる。さらにやりたい気持ちになっているかもしれないし、「あ、忘れてた」ということもあるかもしれない。そんなふうに、子どもの気持ちを確かめるのも手でしょうね。

エンディングをイメージして始める

おおた としまさ
育児教育ジャーナリスト。麻布中学・高校、上智大学を卒業後、株式会社リクルート入社。長男誕生後に「今子どもと共に過ごせなければ一生後悔する」と思い退職。現在は子育てや教育をテーマに執筆・講演活動を行う。新刊『名門校とは何か』(朝日新書)は書店新書ランキング1位獲得。12歳息子と9歳娘のパパ。

あとはもうひとつ、忘れがちですが重要なことがあります。

習い事を始めるときに、「どういう状態になったらやめるか」ということまで決めておくといいと思います。

明確なルールじゃなくてもいいんです。いったん「何年生までやる」とか「いついつの発表会まで頑張る」と決めて、そこまで行ったときに、続けるかやめるか、また判断をする。

そうしないとズルズルと続けることになり、結局ちょっと気持ちが落ち込んだときに「やめる」と言い出してやめる、というふうになりがちです。それはあまりよろしくないパターンなので、エンディングをイメージして始めるというのが、習い事を始めるときに、是非やっていただきたいことです。

――ここからは、会場の皆さんからの質問に対して、おおたさんにお答えいただこうと思います。何か聞いてみたい方はいらっしゃいますか?

会場の方:うちの子どもは5歳なんですが、文字がなかなか書けなかったんです。最近やっと少し興味を持ち始めて、名前を書いたり、お友達にお手紙を書いたりできるようになってきたんですけれど。

今年は年長さんなので、七夕のとき短冊に自分でお願いごとを書くんですね。今から「うちの子も書けるのかな?」って、すごく不安です(笑)。もっと文字に興味をもたせるには、どうすればいいでしょうか?

おおた:今度年長さんで、すでに自分の名前が書けるんですから、全然、焦らなくてもいいと思いますよ。これがもし、小学校2、3年生になってもまだ書けない、というのであれば「どうしよう」と考えなきゃいけないと思うんですけれど。

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