江頭2:50「エガちゃんねる」が大躍進を続けるワケ 壁に見えたものが"別世界へのドア"だった(後編)

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今のところマクドナルドを含め初めてシリーズで取り上げられた飲食店からもクレームはなく、モスバーガーに至っては、江頭に直筆の手紙で感謝の意を伝え、さらにギフト券までプレゼントしている。

(動画:エガちゃんねる EGA-CHANNEL/YouTube)

「江頭さんが何か言ってきたところで目くじらを立てるような世界のマクドナルドさんじゃないですよ。器がでかいです。それに江頭さんは弱い者いじめじゃなくて、強いものに対して言っているわけです。あんだけみんな大好きなマックを『まずい!』って言ってるから成立する、というのはありますね」

一般的なマーケティング感覚からいけば突拍子もない企画だが、実際、藤野にはある思いもあった。

「バズろうと思ってもなかなかバズらないですから、僕はマーケティングよりも自分の直感を信じようと思ってやっています」

夜中の2時50分に配信しているのも、自分の直感を信じてのことだ。

「YouTubeを始めた当時、毎日19時に配信するチャンネルが多く、そしてテレビ的な編集は嫌われるって言われていたんです。でも毎日配信する必要はないし、19時でなくてもいいのではと」

現状維持はどんどん停滞していく。勝ち続けるしかない

最近、有名YouTuberによる「広告収入が全盛期の10分の1」に減ったという告白が大きな話題となり、一説には「YouTubeバブル終焉」や「YouTubeはオワコン」という声が上がっている。またチャンネルをやめていくYouTuberも後を絶たない。このような事象に対して藤野はどう思っているのか。

「『エガちゃんねる』の収益は1年目より2年目、2年目より3年目の方がよくなっています。なのでYouTubeがオワコンという感覚はありませんが、今の状況が当たり前に続くわけではないという危機感は常に持っています。楽しいことや好きなことだけでご飯食っていくのは難しいんですけど、それをやるには勝ち続けるしかない。現状維持の場合はどんどん停滞していくので、日々進化することを心がけています」

藤野が考える『エガちゃんねる』の進化とは、チャンネルの舵取りや動画のクオリティを向上させることである。

「コアファン向けにウケることをやると、なかなか数字が取れないんですよ。やっぱりライト層にもウケなきゃいけない。そこで一般の人たちにも届くような企画をやると、さらに動画再生数やチャンネル登録者数が増加して『エガちゃんねる』は急成長を遂げて進化することができました」

新規ユーザー獲得に成功した『エガちゃんねる』だが、かといってヘビーユーザーであるコアファンを見捨てることはない。

「一時、コアファンの方は物足りないからか、ちょっと離れてたりしたんですけど、そこでコアファン向けのすごいどぎついネタと、みんなが入りやすいネタを並行してやってみたり。平和の中に急に昔ながらの江頭さんらしいネタを入れるという見せ方にしています」

次ページ成功しながらも、なぜ危機感を維持し続けられるのか
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