レアメタル加工のフルヤ金属、積極増資でリサイクル事業を強化へ
増資で調達した資金は既存設備の改修や、効率的な工程管理・業務管理体制構築のためのシステム投資にも充当する。また、12月までに長期借入金13億円を返済する。
地震の影響は限定的か
目下の業績も好調だ。金融危機の余波を受け09年6月は営業赤字に転落したが、そこから急回復している。今11年6月期は、前半に稼いだハードディスク用ルテニウムターゲットが徐々に失速する見込み。だが、好採算のイリジウムルツボはLED基盤製造装置向けに拡大する。温度センサーも半導体分野向けが回復歩調だ。売上高が31・3%増の324億円、営業利益が16・7%増の54億円になると、会社は描く。
翌12年6月もイリジウムのリサイクル事業が本格化するため、これが収益を押し上げる公算。当期純利益が過去最高(10年6月期の34・2億円)を更新する可能性もある。
3月11日には東日本巨大地震が襲いかかったが、この影響は限定的なようだ。いったん操業を停止していたが、建物や設備には大きな損傷はなく、17日には一部稼働を再開した。ただ、大地震発生により、生産拠点の一部地域での偏重体制があらたに浮き彫りになった。同社は茨城県の他には、石英保護管内製化のための工場を北海道千歳市に構えるだけ。拠点集中化が生産効率の向上に寄与してきたことも事実だが、今後は拠点分散化への対応が求められる。
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(梅咲 恵司 =東洋経済オンライン)
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