優秀な人については、「高い能力を買われてどこかに移ることもあるだろう」と経営側も思っています。それはわかったうえで雇っているのであり、その人が「ほかも見てみたけれど、やはりここが良かった」と思ってくれるのは嬉しい話なのです。
僕のいるIT系や、あとは出版社などは割と「転職が当たり前」という価値観が浸透しています。ただ、これからはさまざまな業種で転職に対するハードルが下がっていくことは間違いありません。
「苦じゃない仕事」ぐらいがちょうどいい
転職先を選ぶときには「やりたい仕事」よりも「苦じゃない仕事」を選ぶくらいで、ちょうどいいと僕は思っています。
たとえば、プログラマーの場合、すごくやる気がある人よりも、仕方ないから渋々やっているような人のほうがいい成績を残す傾向にあります。彼らは、ゼロからすばらしいものを開発しようなどとは考えず、すでにあるものを真似しながら、新しく形にすればいいくらいの姿勢でいます。そのため、実際の結果につながりやすいのです。
本人は渋々やっていて、「自分にはプログラマーは向かない」と思っているわけですが、周囲から見ると向いている。そして、長期的には自分でも「これでよかったんだ」と気づいたりするのです。
また、営業でもこういうことはよくあります。
「営業はできない」と考えていた学生が、配属された先で嫌々ながらもやっているうちに売上が立ち、ほめられると「実は自分は営業に向いていたのだ」と発見するという具合です。僕自身も、プログラミングは「苦じゃない仕事」くらいのイメージです。
プログラミングはある種、謎解き的な要素があり、パズル好きの僕としては、楽しく感じる瞬間もよくあります。ただ、ずっとプログラミングをしていたいというほどではなく、あくまで仕事としてやっている感覚です。
なので、最近は時間やコストに見合えば、プログラマーを雇ってしまうこともあります。僕にとってのプログラマーのように、やるのは嫌いじゃないけれど、そこまで熱中するほどではない。それくらいの仕事を選ぶことをおすすめします。
このように、どんな仕事でもやってみると得意に変わることがあります。10年後に、本当に向いていることがわかったりもします。それまで培ったスキルがそのときに役立つわけですから、どんな仕事でも投げ出さないほうがいいのです。
そう思って、どんな仕事でも楽しめる能力を磨きましょう。それさえあれば、自分をしっかり守りつつ、成果を出していくことができるようになります。
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