任天堂「ゼルダ新作」爆売れ、ギネス更新の納得理由 超有名シリーズだが、人気が落ちていた過去も

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ここでは扉を開けるための宝玉を探す必要があったのだが、そのヒントとして「ひとつは上に ひとつは下に」という文言があった。

下の宝玉はすぐ見つかったものの、上のものはまったく見つからない。天井をしらみつぶしに探しても見つからず、最終的には攻略情報を見て脱力した。もうひとつの宝玉は上というよりも、足場の裏にあったのだから。

開発陣が直接的ではない、ほどよいヒントを出そうとしたのはわかるが、この場合はミスリードになってしまっており、筆者はただただ疲れただけだった。また、謎が解けないと先に進めない(謎を無視できない)ので、この状況を楽しめというほうが無茶である。

同様のことを感じた人が多かったのか、状況の把握が難しくなった3Dゼルダは徐々に人気を落としていく。

『ブレス オブ ザ ワイルド』での転換と大成功

それを大きく変えたのが『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』である。本作は広大なフィールドを自由に移動できるようにしたし、最初から主人公にさまざまな道具を与える仕組みにした。謎解きも、ものによっては無視できるし、答えさえ合っていれば途中の方法はプレーヤーに委ねるようになった。

これが評判を呼び、「ゼルダの伝説」シリーズは大きく変わったことが知れわたった。『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が発売された2017年こそ国内売り上げは51万本程度にとどまったが、その後に数字を伸ばし続け、最終的には350万本以上も売り上げた。

そして、2023年5月に発売された『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はそれをさらに進化させている。ものを自由にくっつけて車やロボットを作り出したり、謎を解く選択肢もより増えたりしている。おまけにNintendo Switch自体も普及が進んでおり、ゆえに発売3日間で国内売り上げ224万本という記録を達成できたわけだ。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』の広大なフィールド(画像は任天堂公式サイトより)

前作『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の国内初週売り上げは約22万本(ダウンロード版を含まず)となっている。続編の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はダウンロード版もカウントしているとはいえ10倍以上の記録を叩き出した。

今回のギネス記録達成において、発売3日後の国内売り上げ224万本という数字は無視できないほど大きいだろう。もはや「ゼルダの伝説」シリーズは「昔人気だったゲーム」や「海外では人気のゲーム」ではなく、日本でも世界でも大人気のモンスター級タイトルになったのである。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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