名鉄揖斐・谷汲線、残っていればLRTに進化したか 岐阜市の郊外路線「廃止後」継いだバスの現状

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忠節8時02分発のモレラ岐阜行きにまず乗ってみた。席はかなり埋まっており、通学の高校生や大学生が中心と見られる。すれ違う中心部行きはまだかなり混雑している。バスの走行ルートは廃線跡に近接しており、国道303号をほぼ並走。なお揖斐線の廃線跡は、航空写真を見る限り、ほぼそのまま空き地として残っている。

岐阜市から本巣郡北方町に入り、8時21分に北方バスターミナルに到着。JR岐阜からの運賃は420円だ。ここは国道から外れ、北方町役場の北側に整備されたところだ。揖斐線代替バス以外に、JR穂積駅や、鏡島を経由して岐阜市内へ向かう系統も発着する。本巣市営バスも市町境を越えて乗り入れ、岐阜バスとの接続を図っている。

市街地の西側には樽見鉄道

さらに市街地の西側を樽見鉄道が走っており、本巣市域になるが北方真桑駅があって北方町側からも利用できる。ダイヤ上、岐阜バスの北方バスターミナル―JR岐阜間は朝ラッシュ時で40分前後。北方真桑―大垣―岐阜の鉄道ルートでも約40分でほぼ同等だ。運賃は630円かかるが、渋滞による遅れを加味すると、樽見鉄道経由にも利点がある。

北方バスターミナルからは10時31分発の大野バスセンター行きに乗り継ぐ。降車時間が平日10~16時の間は岐阜バスの全路線が500円で乗り降り自由となる「昼得きっぷ」が使えるので、スマートフォンアプリから購入した。日中のバス利用促進策だ。

本揖斐方面と谷汲方面との分岐駅であった黒野駅跡は現在、黒野駅レールパークとして憩いの場となっている。揖斐郡大野町の市街地は旧黒野駅あたりで、駅を中心に町が発展した様子がうかがえる。一方、大野バスセンターは、大野町の市街地からは外れた大野町役場の隣りだ。岐阜バスはここが路線網の西端で、岐阜市方面のほか、やはりJR穂積駅へ向かう系統が発着する。

黒野駅レールパーク
黒野駅レールパーク(筆者撮影)
揖斐川町ふれあいバスと名阪近鉄バス
大野バスセンターに入る揖斐川町ふれあいバスと発車待ちの名阪近鉄バス(筆者撮影)

さらにJR大垣駅との間を結ぶ名阪近鉄バスも、大野バスセンターに乗り入れており、大垣市や穂積駅がある瑞穂市方面との流動もある。ただ、まったく平坦な土地柄もあって、やはり日常の足はもちろん自家用車が主で、バイクや自転車の利用も多いと想像できる。路線バスとしては苦しい状況であろう。大野町の中心部から大垣駅までは、車で20分ほどだ。

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