ドイツ自動車大手のBMWは5月18日、車載電池のみで走行する純EV(電気自動車)用の新型プラットフォーム「ノイエ・クラッセ」を採用したニューモデルを、中国の遼寧省瀋陽市の工場で2026年から現地生産すると発表した。
BMWと国有自動車メーカーの華晨汽車集団の合弁会社「華晨BMW」の、設立20周年記念セレモニーで明らかにした。華晨BMWはもともと折半出資の合弁会社だったが、2018年10月、華晨汽車集団が保有する株式の半分を36億ユーロ(約5351億円)でBMWに譲渡することに合意した。
この取引は2022年2月に完了し、現在の出資比率はBMWが75%、華晨汽車集団が25%となっている。同年6月には、瀋陽市の鉄西工場の敷地内に総額150億元(約2947億円)を投じて建設した最新鋭の生産ラインが稼働。その設備は、需要の変化に応じてEV生産に転用できるように設計されている。
メルセデスやVWに先行許す
BMWは2022年、全世界で21万5000台のEVを販売した。その数は前年の約2倍だが、同社の(エンジン車を含めた)総販売台数に占める比率は10%に満たない。
ノイエ・クラッセは、BMWにとって初のEV専用の量産プラットフォームであり、2025年後半から(ヨーロッパの工場で)完成車の生産を始める計画だ。「それが実現してようやく、『BMWのEVはエンジン車の改造だ』と揶揄されなくなる」。以前、財新記者の取材に応じた中国のBMW関係者は、そう語っていた。
現在販売されているEVは、既存のエンジン車のプラットフォームをベースにEV化したものと、EV専用のプラットフォームを新開発したものが混在している。一般的には、(中国の)消費者の人気が高いのは後者のほうだ。
外資系ブランドでは、メルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン(VW)、GM(ゼネラルモーターズ)などが、専用プラットフォームのEVをすでに中国市場に投入している。BMWは相対的に出遅れていただけに、ノイエ・クラッセにかける期待は大きい。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は5月19日
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