朝の輸送に見た「東武伊勢崎線」列車種別の醍醐味 特急・急行・準急…その位置づけには個性が
対して久喜方面は、その先に加須市、羽生市、群馬県に入って館林市と需要を生む都市が連なっており、列車は地下鉄相互直通区間の範囲を越えて運転する必要がある。館林には車両基地(南栗橋車両管区館林出張所)があるので、夜間滞泊した車両の始発駅として館林が適当となる。しかし、直通車両については協議で決められた久喜以遠に足を伸ばせない。だから、車両は線内用の8両または6両編成での運用となり、行先・種別は浅草に向かう区間急行になる、という道理だ。
ちなみに日を変えて南栗橋からの乗車を試みると、もともと田園地帯に新設された駅らしい余裕の構内の日光方に車庫から出区線が延びてきており、1本がホームに据え付けられると、ほどなく次の始発電車が出区線に現れ、待機という具合。産官学連携で次世代のまちづくりを進める最中という新興地のため当駅からの乗車は少なく、栃木方面からの接続列車がある場合に限り、ある程度の座席が埋まる。幸手、杉戸高野台と少しずつ乗車があり、東武動物公園で立客がパラパラと増えた。南栗橋で接続を受けない列車なら確実に座れるのだろう、東武動物公園駅では次発列車を待つ人がホームに残った。
片や伊勢崎線の区間急行はと言えば、羽生、加須と過ぎればもう立派な通勤電車となるが、久喜に着くとJR宇都宮線への乗り換えで大きく乗客が動く。久喜を挟んでは東武動物公園側の和戸―久喜間よりも館林側の久喜―鷲宮間の方が駅間の通過人員は多い。
急行の通過駅で一気に混雑する準急
東急5000系が現れた春日部7時32分発急行中央林間行きは、乗り換え客がけっこう多くて座席も空いたりするが、誰もが座れるわけではない。一方、同じ時間帯に春日部から準急を選択してみると多少空いている。しかし、次の一ノ割や武里で急に増える。この時間帯、ときに2〜3分間隔で続行する急行と区間急行に対して、準急は日比谷線直通の普通と合わせてほぼ10分間隔のため、主要駅と中間通過駅で列車の時隔に大きな差があるためと見た。
都心に向けて列車本数の層は次第に厚くなる。南栗橋や久喜以遠発着の急行と区間急行に対し、準急は出庫時間帯を過ぎると東武動物公園発着が主体となって、急行が通過する東武動物公園―越谷間の途中駅をカバーする。さらに準急が通過区間に入る新越谷以南は、北越谷から加わる普通が担うのが基本的な構図だ。
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