運賃かさむ「鉄道乗り継ぎ」避けて安く移動する技 観光地や商業施設「最寄り駅」表示にこだわるな

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お台場へ「豊洲からバス」で

一般的には鉄道より運賃が高く時間もかかるバスだが、うまく使うと安くて楽なケースがある。

お台場に行くとき、ゆりかもめを使うにしてもりんかい線を使うにしても運賃が高い!と思う人は多いのではないか。そんな方におすすめなのが、豊洲駅から都バス海01系統の利用だ。このバスは門前仲町と東京テレポート駅を結び、10分間隔で運行。豊洲からお台場海浜公園駅まで18分で210円だ。

例えば池袋から埼京線・りんかい線直通列車で東京テレポートまでは30分・543円だが、有楽町線と都バス利用でお台場海浜公園駅までの場合、乗換時間を5分としても50分・462円と81円安い。20分も長いじゃないか!と思う方もいるかもしれないが、よく考えてみてほしい。東京テレポート駅の地下深いホームからアクアシティお台場やフジテレビまで歩くのと、バスを降りれば目的地が目の前にあるのとどちらがいいだろうか。そこも考慮すると結局10分長くなる程度で済むだろう。バスは駅から歩かずに行けるところが大きな利点である。

お台場の風景
お台場のフジテレビとアクアシティ。豊洲から都営バスを利用するとりんかい線利用より安いケースがある(写真:genki/PIXTA)

また、有楽町線は5分おき、都バスは10分おきと等間隔だが、JR+りんかい線のルートは、以前の筆者の記事「数分違いで大遅刻『乗り遅れたらヤバい列車』」でも示した通り、線路を共用する湘南新宿ラインとダイヤのサイクル長を揃えていないがために、池袋―東京テレポート間の時刻で見ると、1本乗り過ごすと実質最大24分間隔になることもある。こういった点も考慮すると、りんかい線利用が必ずしも最適ではないのだ。

始発で座れるバスのメリット

東武スカイツリーライン沿線から池袋へ

次いで、東武スカイツリーライン沿線から池袋へ出る場合に使える都バスを紹介したい。西新井駅と池袋駅を結ぶ王40系統だ。例えば草加から池袋へ出る場合、北千住・日暮里乗り換えで最速36分・491円だが、これを西新井駅で王40系統へ乗り継ぐと約50分・388円。多くの時間帯で10分程度の差しかなく、103円安くなる。バスは始発で座れるのもメリットだ。

実はこのルート、池袋―竹ノ塚間を10分程度で結ぶ「池袋・竹ノ塚新線」構想のルートにもなっている区間。ぜひとも実現していただきたい短絡ルートだ。

東京八重洲口に乗り入れる京王バス

京王バスには渋谷から参宮橋を経由して新宿駅西口に至る路線があり、実は1日に数本だけ、新宿駅西口から東京駅八重洲口まで延長運転する便が存在する。しかも運賃は新宿止まりの便と同じ220円だ。

例えば東京駅から新宿中央公園付近にある十二社池の下バス停までは、中央線で新宿に出てバスに乗り換えると21分・428円だ。直通のバスで行くとこれが51分・220円だ。時間は倍以上かかるが、ゆったり座れて乗り換えなしというところがいい。東京駅からは平日・土休日にかかわらず、東京ミッドタウン八重洲地下から11時40分、15時40分、18時30分の3本が出ている。

いかがだったであろうか。こんなことまでしてケチりたくないという方もいらっしゃるであろう。だが増税や社会保険料値上げなど「異次元の少子貧困化政策」が終わらない限り、ケチにならずして何になれというのだろうか。とはいえ、乗り換えや歩行距離の削減といったメリットも見つかる、ケチの美学をご一緒に楽しもうではありませんか!

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北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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