みりんを使わず「しょうゆ+砂糖」で煮込む
春は名前に「新」と名前がつく野菜が出回る時期。今日は新じゃがいもを使った定番料理「肉じゃが」をご紹介します。「肉じゃがは口のなかでほこほこする感じが苦手」という人もいますが、新じゃがいもであれば大丈夫かもしれません。新じゃがいもは水分量が多いので、しっとりと口溶けのいい仕上がりになります。
肉やじゃがいもを砂糖としょうゆで煮る料理法が生まれたのは明治時代。当時は目新しい料理だったかもしれませんが、戦後、1970年代に入ると「肉じゃが」という名称が定着します。牛肉と馬鈴薯の甘煮を肉じゃがと命名したネーミングセンスこそ、普及した一番の理由でしょう。
今でも「初心者向け」料理本の多くに掲載されている料理ですが、そのネーミングのよさとは裏腹に意外と難しい料理です。その理由は調理法として理に叶ってないから。
ふつうの肉じゃがの作り方は「薄切り肉と玉ねぎをさっと炒め、じゃがいもと調味液を加え、ことこと煮る」というもの。しかし、薄切り肉は加熱時間が短くて済みますが、じゃがいもは加熱時間がかかります。そのため肉のおいしさを優先すればじゃがいもに火が入らず、じゃがいもに味を浸透させようとすると肉がパサパサになるのです。
この不合理な調理工程を解消するべく、今回は文明の利器である「電子レンジ」を投入しました。じゃがいもにあらかじめ火を通しておけば、その後の加熱工程が短くて済みます。
そして、改善点がもう1つ。普通は「しょうゆとみりん」で煮込むところを「しょうゆと砂糖」で煮込むのです。みりんを使わないことで、どんな効果があるのか。作り方を説明しながら解説していきます。
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