カプコン「モンハンで位置ゲー」今、参入の深い意味 9月から開始、「ポケモンGO」のNianticと協業

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「モンスターハンター」シリーズはすでに日本では大きな人気を獲得しているが、北米では2018年発売の『モンスターハンター:ワールド』あたりから評価され始めた。2020年にはハリウッド映画も上映されているが、まだまだ伸びしろはあるだろう。

スマホで楽しめる(画像は『モンスターハンターNow』発表映像より)

新たな位置情報ゲームとして『モンスターハンターNow』をリリースすることは、IPの可能性を広げるという意味では十分にアリだろう。『ポケモンGO』や『ピクミン ブルーム』のように、プレーヤー層を広げながらシリーズとして大きく成長できる可能性があるのだから。

文化として認められやすい

また、位置情報ゲームは文化として認められやすい傾向にある。

『ポケモンGO』は、2019年にスポーツ庁による「Sport in Life」プロジェクトのロゴマークを初めて付与されたアプリになっている。このプロジェクトは、生活の一部にスポーツを取り入れることを奨励するもので、『ポケモンGO』はまさしく遊びながら運動になるアプリとして、日本の行政機関に認められたというわけだ。

もちろんゲームはそのままでも優れた文化の1つではある。しかし「行政機関お墨付き」という肩書は、より世間に認められたことを表すだろう。運動を伴う位置情報ゲームとなれば、それに納得もしやすいものである。

『モンスターハンターNow』の登場により、カプコンの「モンスターハンター」シリーズはゲームとしてより人気を集められるようになるだけでなく、文化としてステップアップできる可能性もある。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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