妻に「バンパイア」と呼ばれたプーチンの素顔 どのようにロシアのトップに上りつめたのか?

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ロシア大統領プーチンはなぜ妻から「バンパイア」(吸血鬼)と呼ばれたのでしょうか(写真は2022年12月キルギス訪問後の記者会見でのプーチン大統領、ロシア大統領府公式ホームページより)
ロシア大統領プーチンが仕掛けたウクライナ戦争は、長期化の様相を深めています。プーチンは、いったい何をしたかったのか? 戦争は、いつごろ、どんなかたちで終わるのか? なぜ妻に「バンパイア」(吸血鬼)と呼ばれたのか? メディアでは報じられていないプーチンの一面に触れながら、戦争の行方について、ソ連・ロシア研究を続けて60年以上の寺谷弘壬青山学院大学名誉教授の分析を、著書『プーチンは何をしたかったのか?』から一部引用・再構成して紹介します。

地味なスパイだったプーチンの「プロポーズ」

プーチンは子どもの頃、007や大物スパイ・ゾルゲの映画、ソ連映画『剣と盾』を見て、KGB(国家保安委員会)という諜報機関・秘密警察のスパイになりたくなりました。

高校ではドイツ語を選択し、大学はレニングラード国立大学の法学部に入学。1975年、大学卒業と同時にKGBに採用され、大望だった情報将校になりました。

KGB少佐になって4年ほどたち、プーチン28歳のとき、後に妻となる22歳のリュドミラ・シクレフネワと出会います。しかし、初めてのデートは、ひどいものでした。リュドミラは約束した地下鉄の駅で待ち続けました。「15分遅れるならまだいいわ。30分でもまあ許せる。それが1時間も遅刻なんて……」と、悲しくて泣いたそうです。

プーチン大統領は遅刻魔として有名で、安倍晋三首相、独メルケル首相、米トランプ大統領、さらにはエリザベス女王やローマ教皇すらも遅刻して待たせたことがあります。時間にルーズなのは若いころからのクセ。さすがに初デートで待たせたことは猛反省したようで、その後はある程度、時間を気にしながら頻繁にデートしています。

ある夜、寡黙なプーチンが突然彼女に「こうした関係は、もう“処分”しなければならない」と切り出しました。「3年半も付き合ったんだから、わかっているだろ!?」と。

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