【産業天気図・百貨店】秋以降はクールビズ効果が剥落、天候不安も懸念材料に
百貨店業界は、全般に「回復軌道」を見せている。全国百貨店売上高は6月、7月と2カ月連続で前年同月比を上回り、8月もプラスの公算が高い。これは猛暑にクールビズ効果が加わった結果、特に紳士服を中心として、粗利の高い衣料品が伸びているためだ。高島屋や松坂屋など、中間期決算の発表を前に、さっそく業績を増額修正する社も現れている。ミレニアムリテイリング・グループのそごうのように、破綻後の再建が順調に推移した結果、新店舗(心斎橋店)を出店する企業すらある。
ただ、秋からはクールビズ効果が剥げる。喧伝されている「ウォームビズ」の効果も未知数である。昨年も、やはり猛暑だったが、秋からの台風、さらに年末に向けての暖冬が直撃し、夏の“貯金”は一気になくなった。その意味では、天候が今年も、業績を左右する最も大きな要素となりそうだ。むろん2007年以降の増税が決まれば、たとえ実施の前からでも、高額品を中心に消費マインドに対する大きな冷や水となるだろう。
【大野和幸記者】
(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部
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