子供達が見た北海道新幹線「トンネル貫通」の瞬間 外界とつながると、一筋の光が差し込んできた

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北海道新幹線豊野トンネル貫通
北海道新幹線豊野トンネル貫通の瞬間。開いた穴から一筋の光が差し込んだ(記者撮影)
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3月29日14時22分、トンネル内部に残っていた最後の土の壁を掘削機械が削り取り、外界とつながった。ぽっかりと開いた穴から一筋の光がさっと差し込んできた。「おおーっ」。作業の様子を見守っていた人たちの間から歓声が上がった。

北海道新幹線の整備を行う鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)は、2030年度末の開業を目指し、北海道新幹線・新函館北斗―札幌間の工事を進めている。全区間の約8割がトンネル区間で17本のトンネルが設けられる。今回貫通したのは新八雲(仮称)駅と長万部の駅の間に設置される豊野トンネル。全長は約1.6kmで2020年11月に札幌側から掘削が始まった。掘削が完了したトンネルとしては6本目となる。

「貫通の感動」を共有したい

通常の工事であれば、トンネル内で貫通の瞬間に立ち会うのは作業員や工事関係者に限られる。だが、この日は違った。どう見ても場違いな子供たちが、最前線で工事の様子を見守っていた。

豊野トンネルの隣にある国縫トンネルは一足早く2022年10月に掘削が完了している。JRTTの竹村和晃・長万部鉄道建設所長は、その貫通の瞬間に立ち会った。「午後1時30分、暗いトンネルの中に一筋の日の光が差し込んでくるのを見て、やりがいと達成感を味わった」。竹村所長は当時の心境をこう話す。

この感動を多くの人たちと共有したい。なかなか見ることができない貫通の瞬間を地元の人にも見てもらいたい。JRTTの関係部署の間で議論が行われ、トンネル貫通の瞬間を地元の子供たちに公開してはどうかというアイデアが出た。さっそく長万部町に相談し、企画が実現した。貫通の瞬間を公開する試みは、JRTTでは2020年8月に貫通した北陸新幹線深山トンネルに続き2例目だが、このとき招待したのは地元自治体関係者や地元住民の代表に限られた。子供たちを招待したのは今回が初めてとなる。

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