アメリカ「TikTok禁止」なかなか踏み切れない事情 バイデン政権は究極の選択を迫られる
バイデン政権は以前から、中国政府がティックトックにアメリカの利用者の繊細な個人データの引き渡しを強要したり、強力なコンテンツ推奨アルゴリズムを使ってプロパガンダを広めたりする可能性を懸念してきた。
ティックトックがアメリカの利用者のデータをアメリカ国内のサーバーに保存すればアメリカ国内での運営継続を許可するという交渉が進められてきた背景には、こうした事情がある。
ところが、政府高官らはこの案に難色を示しており、ティックトックの親会社である中国の字節跳動(バイトダンス)に株式を売却させるべきだ、という立場を最近はっきりさせるようになった。
禁止をめぐる法的障壁
バイデン政権は目下、ティックトックを禁止し、1億5000万人いるアメリカの利用者を同アプリから切り離す措置を推し進めるのかどうかを検討する必要に迫られている。しかし、これには法的な問題がある。
ドナルド・トランプ前大統領はアップルやグーグルのアプリストアでティックトックの配信を禁止する措置に踏み出したが、いくつかの連邦裁判所では、大統領にはティックトックの配信を禁止する権限はないという判断が下されている。
ホワイトハウスは今月、アメリカ国民の安全を脅かすアプリを禁止する明確な権限を商務省に与える超党派の上院法案を支持した。可決されれば、バイデン政権はティックトック禁止について、これまでよりも強力な法的権限を手にすることになる。
ティックトックがアメリカの利用者データをアメリカ国内のオラクルのサーバーに保存するとした取り決めが見直される可能性もある。オラクルはまた、ティックトックが中国政府の偽情報やプロパガンダの拡散に利用される可能性への防御策として、ティックトックのアルゴリズムがどのようにコンテンツを推奨しているかを監視することになっていた。
しかし、こうした案には司法省やホワイトハウスを含む政府内の有力者から懐疑的な見方が出ていたことを受けて、政権は売却案を推し進めるようになった。
これについて、ホワイトハウスの広報担当者にコメントを求めたが、即座に回答は得られなかった。