経済専門家が解説!「お金持ちほど歩くのが早い」 健康維持と節約の両方が叶う最強エクササイズ

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自転車だと遠くまで行けますし長時間走れるので、結果的にはより多くエネルギーを消費できます。また、体重をサドルと車輪で分散して支えるだめ、膝への負担も少なく、ランニングのように地面を蹴ることがないので、膝や腰に直じかにかかる衝撃も低減できるでしょう。

加齢で衰えがちな下半身の筋力アップも見込めます。ただし、自転車の事故が増えてきて、2015年10月から自転車損害賠償責任保険等への加入義務付けがすすめられています。高齢の方は、車の少ない道、歩行者の少ない郊外や田舎道を選んでサイクリングを楽しむ工夫が必要です。

自転車を安く手に入れる方法

ネックになるのは、自転車の「価格」でしょう。2021年春頃から、ガソリン価格の急きゆう騰とうで身近な足としての自転車が見直されています。コロナ禍の2020年には、自転車の販売台数は過去最高になり、需要が供給を上回りました。

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さらに、自転車のパーツの原材料となるアルミや鉄、ステンレスなどの高騰と、円安によってこれらの輸入コストが上がったことも大きく響いて、大手自転車メーカーが相次いで値上げを発表。コロナ禍前に比べて10〜30%の大幅値上げになっています。さらに2023年4月からはヘルメット着用が努力義務となります。

自転車の価格はピンキリで、買い物に出かけるための安価なものだと2万円前後からあります。

ただ、各自治体のシルバー人材センターでは、放置自転車をきれいに修理して販売しています。こうしたリサイクル自転車なら、7000円から1万5000円程度で手に入ります。メルカリなどのネットオークションなら、いらなくなった自転車が格安で売られていますが、ネットオークションだと実物を見られないので、できれば最寄りのシルバー人材センターなどで状態を確認してから購入したほうがいいでしょう。

一向に安くなる気配がないガソリン価格を見ていると、健康増進とエコ、そして節約につながる自転車は、家計とSDGsの必需品と言えるかもしれませんね。

荻原 博子 経済ジャーナリスト

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おぎわら ひろこ / Hiroko Ogiwara

 1954年、長野県生まれ。大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。経済の仕組みを生活に根ざして解説する、家計経済のパイオニアとして活躍。著書に『払ってはいけない』(新潮新書)、『老前破産』(朝日新書)、『年金だけでも暮らせます』(PHP新書)など多数。

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