「ブルーベリーに含まれるアントシアニン」「魚の目玉」「ケールやブロッコリーに含まれるルテイン」これらが目にいいとよく言われます。
とはいえ、これらの栄養素を食事だけから継続的に、十分に摂るのは至難のワザ。摂った栄養が必ずしも目のために有効に使われるとも限りません。
特殊な食材に気を配るより、「食べすぎない」ことを眼科医・抗加齢医学専門医としておすすめします。
過食は肥満や高血圧などの生活習慣病を招きます。血中に老廃物をたくさん出すので血管も傷めやすいです。当然、全身を循環する血流は網膜にも通っています。つまり、全身の血流と目の健康は深く関係しています。事実、食べすぎると血液が老廃物で汚れ、糖尿病網膜症など目の問題も起こりやすくなります。
昔から「腹八分目に医者いらず」と言われ、少食は健康によいとされてきました。最近の実験では、「腹七分目が健康長寿につながる遺伝子を活性化させる」ことがわかってきました。腹七分目は目にもよいです。
腹七分目の目安は主食の量。ご飯や麺類など、器に盛り付ける時点で、通常の3分の2程度に量を減らしておくとよいでしょう。
老眼の発症や進行を遅らせる方法
近くが見えにくくなる老眼は、目のピント調節能力が低下する現象。加齢とともに誰もがなります。ただ、近視があるかないかで、老眼を自覚する時期や程度は異なります。
近視の人の目は、近くが見やすい目。そのため、近くが見えにくい老眼になりづらい傾向があります。
では、近くが見づらくなってきたら、どうすればいいか。近くと遠く、ピントの位置を変えることで、毛様体筋を自力で伸び縮みさせて、ピント調節力を鍛えられます。近くを1秒、遠く(6メートル先)を1秒、それぞれ交互に20回ずつ見る「目ほぐし」です。
目ほぐしの効果は、2021年の慶應大の実験で「40〜58歳の老眼症状を軽減する効果あり」とわかりました。60代以降でも効果は期待できます。
目ほぐしは、目の疲れに効く「目のストレッチ」にもなります。
私たちは、長時間の手元の作業などで毛様体筋を酷使しています。「目ほぐし」をすることで毛様体筋のこりや疲労を軽減し、眼精疲労を遠ざけられます。
通勤中、電車の中で「近く」と「窓の外の景色」を交互に見るなど、目は簡単にほぐせます。
目のかゆみは皮膚のかゆみと同じで、かけばかくほど、かゆくなります。原因は、細胞から分泌されるヒスタミンというかゆみ物質。かくほどにヒスタミンが出てかゆくなる仕組みです。
かかずにまばたきをして、かゆみのもとやごみを目から洗い流すだけでも、症状はかなり収まります。かゆくなったら「パッチンまばたき」がおすすめ。上下のまぶたを強くくっつけることを意識しながら、連続して5回ほど、しっかりまばたきしましょう。
涙が分泌されたらティッシュで拭き取ります。両目の目頭や目尻にかゆみのもとであるゴミや異物がたまるので、取り去ってください。
花粉症の季節は特に、パッチンまばたきがおすすめです。
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