VCは創業者のどこを見て成功を予測するのか なぜVCは起業家に一見無理難題を突きつけるか

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

(『ハード・シングス』などの著書で有名な)ベン・ホロウィッツはこれについて、ビタミンとアスピリンの違いを用いて明確に述べている。

ビタミンの摂取は好ましいし、健康に良い効果をもたらす。しかし、もし家を出る前にビタミンを摂ることを忘れたとしても、通勤途中でわざわざ家に引き返したりはしない。また、ビタミンが本当に体に効いているかどうか気づくまでに、かなり長い時間がかかる。

でも頭痛なら、何とかしてアスピリンを手に入れようとするだろう!

アスピリンは頭痛という問題を解決するし、しかも素早く効く。これと同じように、現状に対して大きな優位性のある製品はアスピリンなのである。

VCはアスピリンに出資したいと考えるのだ。

VCの興味をそそるもの

VCはあなたに対して、市場のニーズを正確にピタリと当てることを期待しているのではない。最初の製品計画にいたるまでのプロセスを判断しているのだ。

あなたがどんな考え方をするか知って、VCは興味をそそられる。

わたしたちはアイデアの迷路を見たい。市場からどんなデータを取り入れたのか? それはいかにしてビタミンではなくアスピリンとして作用するのか? この製品が既存の選択肢と比べて10倍優れている、または安価なのはどうしてか?

実際に市場に参入し市場ニーズに対して製品を提供して試すにしたがい、あなたの製品計画が方向転換(ピボット)する可能性があることを、VCは承知している。

だが、市場ニーズを判断したそれまでのプロセスは、変化する市場の需要に的確に適応できるほどしっかりしたものだという安心感は抱きたいと思っているのだ。

スコット・クポール アンドリーセン・ホロウィッツ マネージング・パートナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Scott Kupor

アンドリーセン・ホロウィッツのマネージング・パートナーで、同社の事業運営全般の責任を担う。2009年の設立以来同社に所属し、従業員3人から150人以上へ、運用資産3億ドルから100億ドルを超えるまでになった同社の急成長に貢献した。スタンフォード大学ベンチャー・キャピタル・ディレクターズ・カレッジの共同創設者兼共同ディレクターであり、同校ロースクールでVCとコーポレートガバナンスについて教える。また、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネス、ボールト・スクール・オブ・ローでも教鞭を執る。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事