グリーンムーバーが走りまわる、圧巻の広島電鉄 ラッシュ時は新旧入り混じるワンダーランド
追って6号線江波行き714号が直進、3号線西広島行き1018号グリーンムーバーレックスが左折で現れる。同時進行で対向ホームには6号線広島駅行き713号に続いて、元京都市電1907号が0号線広電本社前、グリーンムーバーエイペックス5204号2号線広島駅、805号3号線広島港、3両連接の3103号広電前…と数珠つなぎだ。振り向けば、西電停には来ない1号線電車が交差点を曲がって行き交う。
すべての電車が、昨年迎えた創業110年記念のマークを掲示し、さらに宮島線開業から100周年を迎えており、その記念の濃淡ピンク塗装の3101号も現れた。
都心に入ってくる電車は、足の長い宮島線直通を中心に満員である。電車は、単車(1両の電車)も連接車両も基本的に乗車と降車のドアを分けてきた。後払い方式なので乗務員(運転士と、大型連接車の場合車掌もいる)のいるドアが出口である。しかし、「入口」から降りる人も多い。ホームにはカート式の料金箱を押す係員がいて、形式で異なるドア位置につど移動し、「入口」から下車する人の運賃を収受している。聞けば超高密ダイヤの中で下車客が集中する紙屋町西電停の上りホームでは平日7時30分〜10時の間、こうした対応をしているそう。ただし、定期を含めてICカードが普及し、市内線均一運賃は現行220円、ICカード利用の際は200円のため、現金支払いは減った。
ICカードで変わった路面電車の常識
そして今は、連接車全編成についてICカードの降車用読み取り器を全ドアに取り付け(2018年5月に1000形から開始)、ICカード利用者は全電停でどのドアから降りてもよくなった。電車には「全扉乗降車両」と記した赤いマークが貼ってある。路面電車における常識かつネックだった乗降ドア分離の姿は、広島にあっては大きく変化してきた。
一方、現在の運賃は昨年11月に190円(ICカード180円)から値上げされたものだ。独占禁止法の特例法が2020年11月に施行され、地方の乗合バス等の事業者は独禁法の適用除外となり、乗りやすい公共交通を目指して運賃をそろえたり相互にダイヤを調整するのが可能になった。
これを受けて広島電鉄は他のバス会社6社とともに「共同経営計画」を立て、運賃を統一した。それまでバスは中心部が190円、範囲を超えると距離に応じた運賃だったのが、“デルタ市街地”の範囲は220円に統一され、電車もそれと同額の220円になったのだ。定期券は電車・バス共通のものが発売され、その利便はすでに評価が高いようだ。ただ、単純な電車利用者にとっては30円の小幅とは言えない値上げである。果たしてどのような実績が出るか注目しておきたい。
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