"夜のお菓子"が東京にカフェを作ったワケ 表参道に期間限定のリアル店舗が出現
うなぎパイが生まれたのは、1961年。うなぎエキスを練り込んだ生地に、秘伝のタレを塗って仕上げたパイは、その話題性とサクサクした食感によって好評を博し、発売当初は毎年売り上げを倍増していたという。
今は落ち着いているものの、年間販売数およそ8000万本という浜松土産の定番中の定番として、不動の地位を確立している。約8000万本のうなぎパイを縦につなげると、地球の直径とほぼ同じ長さになるというから、かなりの数。
兄弟も生まれ、うなぎパイシリーズは現在、「うなぎパイ」(プレーン)、「うなぎパイV.S.O.P.」、「うなぎパイナッツ入り」、「うなぎパイミニ」の4種類だ。
V.S.O.Pは高級ウイスキー入りのうなぎパイ。夜、お酒を飲むひとときを楽しんでもらうための「最高級のうなぎパイ」というコンセプトで開発された。「夜のお菓子」よりも、さらに大人の雰囲気が漂う「真夜中のお菓子」というニックネームだ。
うなぎパイファクトリーには年間62万人も来場
10周年を迎えた「うなぎパイファクトリー」も、ブランドの知名度アップに貢献している。
「年間62万人のお客様が訪れますが、これは産業観光施設としては日本一です」(飯島さん)。
うなぎパイは、浜松を訪れた人はもちろんだが、地元民によっても市外に出る際の手土産用途などに重宝されている。たとえばプレーンタイプは12本入り(962円 税込み)から48本入り(3849円 税込み)まで、まとまった個数を詰めた箱で販売されているが、予約すれば67本入り(5940円 税込み)を購入することも可能だ。実際のところは、地元の企業の人が他県の企業へお土産、お歳暮、お中元用に注文する場合が多いそうだ。67本という中途半端な数字は「むなぎ(うなぎの古語)」に由来するのかと思ったが、「あまり意味はない」(飯島さん)とのことだ。
人気を支えるのは、やはりそのおいしさ、品質の高さである。工場では1日に20万本が製造されるというから、機械から次々に送り出されてくる姿が思い浮かぶが、実は少し異なる。すべては原材料へのこだわり、そして、専門の「うなぎパイ職人」の「手技(てわざ)」にかかっているのだという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら