フェラーリ「プロサングエ」乗ってわかった凄み 初の4ドアモデルは姿形だけでなく走りも高次元だ

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ロールセンターを最大10ミリ、アクティブに下げることができ、コーナリング性能を最大化できるのが特長、とフェラーリでは説明。車体のロールとピッチを抑え、車輪の接地性も確保する。

近年のフェラーリの4人乗りモデルは、2011年のFF、2016年のGTC4ルッソ以来。こちらには、12気筒に4WDのGTC4ルッソと、8気筒ターボに後輪駆動のGTC4ルッソTがあった。

プロサングエは、基本的なドライブトレインのレイアウトは、12気筒のGTC4ルッソと同様。

ボディ全長が約5センチ長くなり、ホイールベースが約3センチ長くなっただけで、6.5リッター12気筒と4WDシステムを搭載しながら、広い後席空間を実現してしまった。

12気筒以外のエンジンは用意されない

「ほかのエンジンの予定はありません」とフェラーリの首脳はきっぱり。12気筒で4WDでも、アクティブサスペンションや制御システムによって、望むとおりのスポーツカーになる、というわけだ。

フェラーリがテストドライブの舞台に選んだのは、イタリア北東部ドロミーティ。オーストリア国境も遠くない。標高3000メートル級の岩山が地面から隆起しているような印象的な景観だ。

フェラーリでは当初、ドロミーティの雪道で、4WDシステムと4輪操舵をそなえるプロサングエの試乗を、と考えていたそうだが、暖冬のせいで一般道には積雪はほぼなし。

まあ、おかげで、乾いた路面の屈曲路でのドライブを楽しむことができた。ものごとにはいい面と悪い面がある、という好個の例かなと思ったりした。

プロサングエの印象をひとことでいうと、すばらしく乗りやすい、というものだ。たしかに、その気になれば速い。静止から時速100キロまでわずか3.3秒で加速するほどだから。

いっぽうで、どんな道でもすいすいと走れてしまう。ドライブしている私は、車両との一体感をつよく味わえる。よくできたスポーツカーそのもの。

ヘアピンカーブを短い直線が結ぶドロミーティの屈曲路では、カーブの手前でよく利くうえにフィールがよいブレーキで制動をかけたあと、軽く加速しながら操舵すると軽快に曲がっていく。

カーブの出口手前で加速すると、猛烈なダッシュも可能。一瞬で「え?」と思うような速度が出るが、ステアリングホイールを通して感じる車両の動きはビシッと安定している。

アッパーボディ(青い部分)がホイールアーチの上に浮いているような印象のボディデザインとフェラーリ(写真:Ferrari SpA)
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