岩佐:やっぱり意識しなきゃいけないのは、利益率を高くすることなので、初期にドンとお金を出していただいて、買っていただくビジネスモデルと、ある種サブスクにしていただいて、導入1カ月目から利益が出る形の2つを考えています。
なるべくキャッシュポイントとか、エンドユーザーとのタッチポイントを増やすような施策を考えながら、ビジネスモデルを構築している状況です。
考えてチャレンジした失敗は勲章
井上:最後に田邊さん、日本とアメリカの違いについて、何か際立って感じることとはありますか。
田邉:向こうのほうが失敗を恐れない、失敗が勲章のようなもの。日本だと失敗するとマイナスになっちゃう。
つまり、アメリカだと今までの失敗を生かせるんじゃないか、と失敗してきた人に投資する発想がある。でも日本の場合は、実績があるので投資するっていう逆の発想。マイナス点をいかに減らすかが日本の方式で、向こうは積み上げ方式です。
井上:エイターリンクの場合、どういう失敗はいい、どういう失敗は悪いって、ありますか? それとも失敗は何でもいいって感じですか。
田邉:失敗なら何でもいいことはないと思います。たぶん、論理的に考えてチャレンジをすることに対しては評価は高いんじゃないかなと思います。
井上:なるほど、論理性とチャレンジですね。日本の会社でも活用できそうです。それにしても「失敗があるから投資する」って言い得て妙ですね。本日はとてもエキサイティングなお話をありがとうございました。
経営学者・井上達彦の眼
エイターリンクの岩佐凌さんと田邉勇二さんには大胆な戦略がある。一言でいえば、ビルをはじめとする社会インフラに種をまくという戦略である。
目指しているのは1000億円企業ではなく、10兆円企業である。実現するには、最終的には事業領域を広げていかなければならない。
そのために、エイターリンクは、「ハードウェアをばらまく」ことを目指した。そこに組み込まれるソフトウェアは随時アップデートが可能である。サービスの性質上、顧客との関係性は継続的なものとなるのは間違いない。さまざまな業種に普及させることができれば結果は自ずとついてくる。
エイターリンクは収穫のタイミングを意識して領域を選ぶことだろう。一見すると大胆な事業展開に見えても、背後には緻密なロジックがあった。
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