センサー45兆個の2040年に花開くワイヤレス給電 エイターリンクはデータをつかさどる種をまく

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井上:それは意外ですね。スーパーマンみたいな田邉さんでもそうであれば、自分もそれでいいんだと勇気づけられる方も多いんじゃないかな。

田邉:スタンフォードの先生のほぼ9割5分は起業に携わっています。エンジニアとしての成功、なすべきことは社会還元。自分でやった研究を社会にどんどん還元してきなさい、テクノロジートランスファーをやりなさいって言われました。

だから、大学なんていつまでもいる場所じゃないしっていうのがあって、だからシリアルアントレプレナー(連続起業家)は当たり前の感じだったので、周りは誰もそれが凄いなんて思っていませんよ。

井上:しかし、バイオで勝負するのは時間がかかりますよね。やはり夢があるのでしょうか。

17メートル先まで電力を送る

田邉:最終的にはBrain Machine Interfaceといわれるような、脳内に非常に小さなチップを埋め込んで、外からの給電によって人同士のコミュニケーションを図ったり、画像が映し出されたりする世界を考えています。

しかし、これは20〜30年先になると思いますので、それまではファクトリーオートメーション(FA)やオフィスでの活用などで商用利用を進めます。

岩佐:エイターリンクの特長としては、センサーと受信機が一対一だと、だいたい17メートルぐらいの非常にロングレンジで電力を送ることができます。ワイヤレス給電の世界ではめちゃくちゃ長い。世界で一番長いでしょう。

もう1つの特長は、受け取った電力を使って双方向のデータ通信ができること。低消費電力のセンサーを動かして、そのセンサーで得た情報をBluetoothのような無線通信機を介して、データを送り返す。これによって応用範囲が広がるんです。

井上:17メートル先のセンサーに給電して、そのセンサーと情報通信する。何かすごい技術ですね。でも、どういう分野に応用できるんですか。

岩佐:現在、3つの分野で進めています。

1つがファクトリーオートメーションです。2つ目がオフィスビルのマネジメントということで、空調やライトニングの制御、さらに、その先にあるロジスティックスをやっています。3つ目がバイオメディカルで、私がもともとやっていたところです。

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